Sound & Silence

本多重夫の音楽、オーディオ、アートなどについてのプライベートブログ

学芸大学 「サテライト」 - 昔ながらの街の中古レコード屋さんの趣きが残るお店

昨日の土曜日の午後は天気も良かったので、数ヶ月ぶりに散歩を兼ねて学芸大駅近くにある中古レコード店の「サテライト」へ出かける。お店は70年代、80年代の街の中古レコード屋さんのたたずまいで、それだけでも居心地がいい。店主は以前は三鷹の「パレード」という中古レコード店に勤めていたようで、それで独立して開業したのが、この「サテライト」らしい。

三鷹の「パレード」もそうだったが、この「サテライト」も歌謡曲、クラシック、ロック、ジャズとオールジャンル。レコードもCDの両方あり、量的にもふらっと立ち寄って見るにはほど良い。価格設定は良心的で殆どのレコードは2,000円以下で購入できる。1枚300円からのバーゲンボックスにもたくさんのレコードが詰め込まれている。でも、時にとてもマニアックなコレクターズアイテムもあるのが、場所柄かなとも思う。

色々見ていて次の8枚を購入した。

Neil Young / Journey through the past 日本盤2枚組

1972年のニールヤングの同名の映画のサントラ盤。彼の初期のキャリアやスタジオアウトテイク、ライブで構成されている。1番の聴きものは3面全体で15分以上に及ぶ「Words」。CDでの正式なリリースが存在しないので、アナログで見つけられたのはラッキー。

Genesis / Live 英国盤オリジナル

Genesisの1973年のツアー音源のライブアルバムで音質も良く初期レパートリーを網羅している。実はこの時の録音は2枚組で用意されていたが、正式にリリースされたのはこの1枚だけ。Supper’s Readyの全曲演奏を含む2枚組はブートレグ音源でリリースされたことがある。僕にとっては、Genesisの最も好きなアルバムで、これだけあればいいいという感じ。ピーターガブリエルは家柄が貴族出身だからか、時に彼の上から目線のアプローチが時々鼻に付くことがある。ただ、このライブアムバムに限って言えば、メンバーが一丸になって自分たちの音楽を伝えようとする意気込みが伝わってくるのが魅力になっている。

Chris Spedding / Hurt 仏再発盤

クリススペディングは、60年代末に英国ジャズロックギタリストとしてシーンに登場し、ジャックブルースのアルバムなどでプレイしていたが、70年代後半のパンクムーブメントの中でリーゼント頭にフライングVを抱えたロックンロールギタリストとして独特の存在感を表す。1977年のこのアルバムでは彼の重厚なギターが炸裂するロックンロールが聴ける。

Vangelis / Albedo 0.39 日本盤

映画ブレードランナーや炎のランナーのサントラで有名になる作曲家、シンセサイザープレーヤーのバンゲリスの1976年のアムバム。今、聴いても目の覚めるような演奏。70年代にシンセサイザー奏者のソロアルバムは多いが、大半が漂うような空間的な作品の中で、バンゲリス極めてパーカッシブな音楽を創り出している。それは彼がギリシャ出身であることや元はドラマー、パーカッションプレーヤーだったことに関係しているだろう。

Hawkwind / Independent Days 英国盤

Hawkwindは10代の頃からもう40年以上聴き続けている英国のサイケデリックスペースロックバンド。Hawkwindを知らない人でも、Motorheadのレミーがいたグループというとわかるかな?。グループはライブやベスト盤などやたらとリリースが多く。このミニアルバムもそうしたものの一つ。デビューシングルのデモ版やモーターヘッドの別テイクなどが入っている。

Grand Funk Railroad / On TIme 日本盤初版

Grand Funk Railroadの1969年のデビューアルバム。最初の日本盤で裏面が解説書。キャッチコピーには「レッド・ツェッペリンもぶっどんだ超大型新人グループ」とある。グランドファンクは当時日本でも絶大な人気があり、嵐と雷の後楽園球場コンサートの伝説を生んでいる。今聴くと、重厚だけどキャッチャーなアメリカンハードロックとして楽しめる。力任せのような印象もあるが、意外とメロデイラインもいい。彼らの「戦争をやめよう(邦題)」の71年の5枚目のアルバムを目下探しているところ。

Steely Dan / Aja 米国盤

スティーリー・ダンの1977年の傑作と言われるアルバム。高音質ということでオーディオファンにも人気があり、巷では中古盤もいい値段で取引されている。実は僕はスティーリー・ダンの「Do it again」「リキの電話番号」は好きだが、このアルバムは全く聴いたことないので、後学のために購入。

Deodato / 2 日本盤

このレコードはバーゲンボックスに入っていて300円で購入。CTIレーベルは硬派なジャズファンからはフュージョン、イージーリスニングレーベルと揶揄されるが、ジャズをポップシーンで商業的に成功させた功績は大きい。その筆頭なるのがブラジル出身のデオダートで、クラッシックをアレンジしたCTIデビュー作の「ツァラトゥストラはかく語り」は大ヒットになる。1973年のこのセカンドではムーディーブルースの「サテンの夜」やラベルの「亡き王女のためのパバーヌ」などをアレンジして聴かせる。気軽の楽しめるいいアルバムだ。

最近はほとんどインターネットで買い物をしているが、いつになってもレコード店は楽しいことを再認識した。それに帰り道のレコードが重いのはあまり気にならないものらしい。


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