Aurdiruvana Plusとは
今ではmacOS用の高音質再生アプリケーションとしてスタンダードとなったAudirvana。フランス人の Damien Plisson氏によって開発され、2012年ごろまではオープンソース化されていて無償版のAudirvana Freeと機能拡張した商用版が存在したが、現在では商用版のみが提供されている。また、再生アプリ単体として機能するだけでなく、iTunesの再生部分に統合できるインテグレーションモードもあり、iTunesの使い勝手をそのままに使うことも可能だ。
Audirvna Plusを再生のメインアプリとして使用するなら別売のiOS向け有償コントローラアプリを購入してiPadなどからAudirvana Proをリモートコントールでき、Macをモニタなしのヘッドレスでコントロールできるようになる。 iTunesのライブラリ情報はAudirvna Plusへインポートでき、プレイリストもそのまま移行できるので多数の楽曲があっても移行はそれほど時間を要しない。アルバムや楽曲を追加、削除するときは、いったんiTunes上で編集を行い、再度Audirvna Plusでインポートする手順となる。
現状の再生環境
現状の拙宅での再生環境は上の写真のように、
といった構成。このMac miniにはAACやApple Losslessでリッピングした約2,200枚のCDデータが入っている。 Mac miniの隣のアンテナがついたデバイスは、「Audioengine B1」というオーディオ向けのBluetoothレシーバーで、これもオプティカル接続でDAコンバーターにつながっている。
音質改善のためにパラメータ調整を試してみる
これまであまり大きな不満もなくAudirvana PlusでBGM的に聴いていたが、コントールアンプを導入したりとシステムが変わったこともあってか、Mac miniからの再生が今ひとつ音像がはっきりしないというか、再生音のキレがよくなくネムイ感じが気になるようになってきた。
Audirvana Plus 3.xになってからサンプルレート コンバージョンのコンバーターとして従来からの「iZotope 64bit」とアップサンプリングが高性能に行えるという 「SoX」に2種類のコンバーターが搭載された。不満の解消策としてこの2種のコンバーターの違いを調べていたら、パラメータを調整している情報を見つけることができた。
試してみたところ僕の環境では、「iZotope 64bit」のほうが実態感のあるサウンドで好みに合うことも分かった。調整後のパラメータはこの画面のようになる。
標準設定よりも値を下げる設定で特にアンチエイリアスの値は最低になっていて、これが音像のフォーカスに影響しているのだろう。CPUの処理能力への依存度も影響がありそうで、この古いMac miniではこの値が良かったが、最新のハイパワーなMac miniなら、もっと違う値がベストかもしれない。
アップサンプリングをするかしないか
アップサンプリングについては議論のあるところ。ソフトウェアでアップサンプリングを行うので、CPUの能力の影響も少なくない。そもそもアップサンプリングは元が CDなら44.1KHzのサンプリングデータから、88.2KHzや174.4KHzへ、ある種のデータを作り出すという処理を行なっている。つまりアルゴリズムで付加された音を聴くことになる。それが耳に心地よければ、高域の伸びた良い音ということになる。それが新バージョンでアップサンプリングを得意とする『Sox』が導入された理由だろう。
前記したようにパラメータを調整した後でアップサンプリングの有無を聴きらべてみると、確かにアップサンプリングされた音は響きが良い印象があるが、アップサンプリングなしのほうが音楽の実態感や力強さがある。今の僕には後者のリアルな再生音が好ましいので、アップサンプリングはなしで行くことにした。
今回初めてパラメータの調整にチャレンジしたみたが、こうした調整ができるのもソフトウェア再生のメリット。時間があれば、また色々と試してみたい。