Thinking is The Form

本多重夫の音楽、オーディオ、アートなどについてのプライベートブログ

Kali Malone / Keith Jarret / Earth / Thom Yorke- 最近のApple Musicから

Apple Musicは未知の音楽と出会える場所としては面白い。時々、ジャンル別に新譜を眺めて聴いてみると思わぬ発見があったりする。最近、夜寝るときや仕事や本を読む時のBGMとしてアンビエント、ドローン系の音楽をよくかけている。アンビエントといっても、いかにもな甘くゆったりしたメロディックなものよりも、もっとタイトで非装飾的なものがいい。

Kali Malone / The Sacrificial Code

そんな嗜好にピッタリあったのが、このKali Malone の「The Sacrificial Code (生贄のコード)」。彼女はスウェーデンのアーティストで、このアルバムは電子楽器ではなく、小型のパイプオルガンが使われている。非常にゆっくりとしか変化していかない音楽で、ミニマルというよりも瞑想的でラモンテ・ヤング的とも言える。それでいて音楽の質量が軽く無重力的。かけていることを忘れてしまいそうでいて、確かにそこにある音楽。ユニークな作品。

Earth / Full upon Her Burning Lips

ジャンルとしてはドローン・メタルと呼ばれるらしいが、ファズギターがバリバリと鳴るわけではなく、自然なオーバードライブ程度で、独特のゆったりしたリズムのドラムを軸にして演奏が展開されていく。聴きようによってはメタルというよりも、サイケデリックやディープ&スローなサザンロックのような雰囲気がある。

このEarthは、1989年にワシントンで結成された米国のグループで、これまで9枚のアルバムをリリースしている。ジャケットに写っているのは、ギターのDylan CarlsonとそのパートナーでドラムのAdrienne Davies。このジャケットが収められてる音楽を物語っている。

Keith Jarret / バッハ 平均律クラビア集 第1巻

キース・ジャレットのライブ演奏で収録した「バッハ 平均律クラビア集 第1巻」。この作品をライブで収録するというのも、いかにも彼らしい。何があってもとにかくライブが好きなのだろう。それはグレン・グールドとは対照的。グレン・グールドの音楽が内なる自分との対話に重きがあるの対して、キースは演奏者として聴き手に伝えることに重点があるのだろう。

キース・ジャレットは、これまでもバッハだけでなく、ハイドンやショスタコビッチなどの作品にも取り組んでいるが、いずれも純然たるクラッシックのピアニストとはアプローチが異なる。彼のソロピアノにも通じるようなエモーショナルで繊細で自由なタッチが、音楽の憂いや喜びを豊かに伝えてくれる。このアルバムは最近1日が始まる朝によくかけている。

Thom Yorke / ANIMA

トム・ヨークについては紹介の必要はないだろう。彼ももう51歳になった。このアルバムは彼のソロとしては3枚目。ディストピアン的な響きの音楽で、電子的なリズムが階層的に重ねられていく。アーティストは時代の写し鏡。その音楽は実世界のサウンドトラック。僕らはヘッドフォンを耳に押し込んで、その音楽に耳を傾けるのみ。