Thinking is The Form

本多重夫の音楽、オーディオ、アートなどについてのプライベートブログ

UFO / UFO 1 - 怖いもの知らずのアングラ スペースロック

最近買ったレコード4枚目の話。口だけの人面岩が宇宙空間を漂っているという趣のちょっとイケテいないこのジャケットは、英国ハードロックバンド「UFO」が1970年にリリースしたファーストアルバム。

「UFO」は数年後に当時19歳のドイツ出身ギタリストのマイケル・シェンカーが加入したサードアルバムの『Phenomenon(現象)』のヒットで一気にメジャーになるが、それ以前は、初期のホークウインドやマンにも通じるスペースロック的なサイケデリックブギーを演奏していて、いかにも英国アンダーグラウンドハードロックで僕は気に入っている。

日本では、このファーストアルバムから『C'mon Everybody』がラジオを通じて反響が大きいのでシングルカットされてヒットする。どうも当時は日本とドイツでのみ人気だったようだ。日本での反響が良かったので1971年に来日して日比谷野音でライブを行い、これはライブアルバムとしてリリースさる(これは未聴)。

この初期UFOの魅力はなんといっても、やみくもに勢いがあるサウンドと、自分達の音楽を突き詰めていく姿勢。初代ギターのミック・ボルトンが20歳、残りにメンバーはまだ10代という怖いもの知らず。音楽的にはハードロックなブギーだが、ギタープレイにはサイケデリックな感覚もある。その辺りがバンド名のUFOの由来なのか。長いジャムっぽい楽曲もいい。ユーライア・ヒープもファーストで取り上げた『Come Away Melinda』や『Who Do You Love』なども取り上げ、こうして聴いていると、もっと再評価されていいアルバムだと思う。

このファーストはずっとApple Musicで聴いていて、チャンスがあれば欲しいと思っていたところ、7月にリニューアルした御茶ノ水のディスクユニオンで発見。なんと米国ではモータウン系のレーベルからリリースされた米国オリジナルのカット盤で持ち帰ってみたら未開封の新品だった。 カッティングレベルが高く歪み気味なところも、この演奏にはむしろ合っていて躍動感があり、70年代はじめにタイムスリップしたかのようだ。

ちなみに翌71年にリリースされたセカンドアルバムの『 UFO2 : Flying』も、英国オリジナルはこれまた裸の宇宙人が円盤を連れて飛んでくるというジャケットで、さすがに日本のレコード会社(東芝)は、独自の円盤のイラストのジャケットを制作してリリースしている。スペースロック感はさらに進化し、B面には20分を超える楽曲が収められている。この陶酔感がまた良いのだ。