中古レコード価格が高騰していることもあって価格的にこなれているCDも良いかなと思い始めている。ストリーミングのApple Musicも利用していて、それはそれで色々聴けていいのだが、僕が好きな1960年代、1970年代のニッチなジャンルになると収録されていないものもあるし、レーベルの問題なのかアルバムごと無くなってしまうものもある。そうなると、やっぱり繰り返し聴きたいもの、高音質で聴きたいものは手もとに持っていたい。
これまで通販で中古CDを購入するときは、amazonのマーケットプレース、ディスクユニオンなどを利用してきたが、最近この「カケハシ・レコード(略してカケレコ)」というお店も利用している。 amazonやディスクユニオンが統制された量販店的なサイトならカケハシ・レコードは昔ながらの街の音楽ショップという印象。店名にレコードとあっても現在扱っているのはCDやDVDのみ。店名の「カケハシ」は、買取と販売で音楽CDを人から人へとつなぐ架け橋となるいう主旨。
その店名の通りで、サイトも対応もフレンドリー。スタッフが執筆しているプログレッシブロック、サイケデリックロックというニッチなジャンルのコラムも面白い。また、ニッチなものだけでなく、王道のクラッシックロック関連も充実している。探すと色々と掘り出し物がある。価格的には新品の輸入物が2,300円前後、国内盤中古は1,500円前後、輸入盤の中古だと安いものは数百円程度のものもある。僕の基準からするとジャケットや盤の品質チェックは厳し目で、少しの傷でも「傷あり」の扱いにするようで、届いたCDを見ても無傷のように見えるものでも「傷あり」設定の価格付けをされている。僕のように「聴ければよくて」、ジャケットの状態などにあまり頓着しないタイプならお得な買い物ができそう。
今回、購入したのはこの7点。全然、プログレッシブロックでないものばかりなのは、チャンスがあれば買っておきたいものが多かったせい。それにしても支離滅裂なセレクション ;-)
- 【中古】ヴェルヴェット・アンダーグラウンド/ローデッド (帯無 解説有:AMCY2087/8-SALE) ¥712
- 【中古】LAURA NYRO/NEW YORK TENDABERRY (CK9737-SALE) ¥392
- 【中古】リチャード&リンダ・トンプソン/ポア・ダウン・ライク・シルヴァー (帯無 解説有:VACK1036-SALE) ¥ 792
- 【中古】クラウス・シュルツェ/イン・ブルー (帯有 解説有:MAR051023/5-SALE) ¥ 1512
- 【中古】LUCINDA WILLIAMS/CAR WHEELS ON A GRAVEL ROAD (558332-SALE) ¥ 232
- 【中古】TASTE/LIVE AT THE ISLE OF WIGHT (8416012) ¥ 590
- 【中古】BUDGIE/MCA ALBUMS 1973-1975 (5363393) ¥ 1290
- 【中古】OZRIC TENTACLES/INTRODUCING OZRIC TENTACLES (SMDCD906-SALE) ¥ 952
中でもVelvet Undergroundの『Loaded』はRhinoレーベルでのリマスタリング2枚組。Rhinoのリマスタリングは良心的でオリジナルの良さをそのまま活かしていて好感が持てる。YesのリマスタリングもこのRhino時代のものがオリジナルのエネルギー感がそのままあって、今のSteven Wilsonリミックスよりも僕は好みだな。
Klaus Schulzeの『In Blue』は、Ashra Temple時代の盟友でギターのマニュエル・ゴッチングと久しぶりの共演で70年代に近い作風を聴かせてくれる。この日本盤はライブのボーナスディスク付きの3枚組。
BUDGIEは英国ウェールズ出身のハードロックトリオ。『MCA ALBUMS 1973-1975』は彼らの3枚目から5枚目をまとめた3枚組ボックスセット。これもレコードはなんだか高いので、まとめてCDで気軽に聴けるのはいい。
Lucinda Williamsはカントリー女性SSW。普段はカントリーは全く聴かないが彼女の少しダークでハスキーな歌声が、イマジネーションをかき立てる。Laura Nyroの『New York Tendaberry』はジャケットの通り。暗い部屋の中で揺らめく蝋燭の炎をじっと見つめているような音楽。彼女の歌声に魔法のように引き込まれる。
こうしてカケレコで買い物をしてみると、インターネットは個性的なスモールビジネスの優れたインフラなのだということを再認識する。大手の大規模なサービスも便利だが、質の良いスモールビジネスのプラットホームでもあり続けて欲しい。それが文化や社会の多様性を育み豊かにする大切な要素になる。僕はそうした小さなビジネスを応援したいし、同じ買い物をするならそうしたお店をもっと利用したい。
リンク:カケハシレコードのサイト