今使っているスピーカーケーブルは、英国 CHORD Companyの『Carnival Silver Screen』という大仰な名称のケーブル。2008年から2012年頃に切り売りで販売されていた高級ケーブルだったらしい。CHORD社のケーブルに興味があって数年前に中古で購入して使ってみたところ、高域にクセがなく、自然に伸びていながら上品に音楽を聴かせる感じでそのまま気に入ってずっと使っている。まあ、中古なので10年位使われていたのだろうし、いい具合にエージングされているのもあるのだろう。
それに、自宅で仕事をしながら長時間音楽を再生しているので、あんまり迫力があって、ドカンっとくるような再生音が続くと疲れるので、しっかりと音楽の存在感がありながら、上品にまとまった再生音が好みということもある。
このスピーカーケーブルは左右のケーブルともに一方だけがフルテックのYラグ端子で処理され、もう一方は芯線が剥き出しの状態。現在使っているビンテージのMarantzのパワーアンプはプッシュ式の細いケーブルしか入らないので、変換プラグにこの芯線をねじ止めして使っていたが、剥き出しの部分の酸化が進んで黒ずんでいるのがずっと気になっていた。このままで放置するのも精神衛生上よくないので、時間を取ってきれいに末端処理をやることにした。
フルテック製ロジウムメッキ Yラグ端子を取り付ける
既に一方はフルテック製のYラグなので、ここは迷わずにフルテック製のYラグに決める。思ったよりも選択の幅があるが、1万円以下で高品質、ケーブルが簡単にしっかり止まりそうなので、ロジウムメッキのモデルを選択。
スピーカーケーブルの芯線を剥く
ワイヤーストリッパーを持っていないのでニッパーで慎重にケーブルを剥く。剥いた部分はきれいな色をしている。バイワイヤなので左右で全部で8本を剥いていく。
Yラグ端子に固定する
左右それぞれをバイワイヤを束ねたら、熱収縮チューブを通してからYラグに固定。専用レンチが付属しているので、線をしっかりと固定できる。
熱収縮チューブを熱する
専用のヒートガンがないので熱収縮チューブをドライヤーで温めて収縮してみたが、家庭用のドライヤーでは温度が低いのか完全に密着するほど収縮しないのは仕方がない
変換ブラグにセットして聴いてみる
スピーカーケーブルができたので、変換プラグに取り付けていく。Yラグなのでガッチリと固定されて安定感は抜群。プラスとマイナスのプラグがショートしないようにプラスチックのスパイラルチューブを被せておく。
さて、これで聴いてみると、ただYラグ端子に変えただけなのに音が一段とクリアでアンサンブルの背景の旋律や楽器の表情がよく伝わってくる。くすみが取れたような印象。やっぱり前の剥き出し部分は酸化が進んでいたのかもしれない。Yラグがロジウムメッキされているのも効いているのだろう、予想以上のアップグレードになった。やはりこのケーブルの末端処理のように、細部まで手を抜かないことは何事でも大切。

FURUTECH ADL オーディオグレード Yラグ端子 ロジウムメッキ処理 4本1組 FP201R
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