Sound & Silence

本多重夫の音楽、オーディオ、アートなどについてのプライベートブログ

Luxman E-250フォノイコライザの電源ケーブルをZonotone 6NPS-3.5 Meisterに変える

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去年の春に購入したLuxmanのE-250フォノイコライザ、基本的に美音で低域の伸びも良いのだが、もう少しメリハリというか躍動感が欲しいところもあり、どう調整するかを考えて試しに電源ケーブルを変えてみることにした。もしフォノイコライザで効果がなくても、DACに使ったりと他でも用途はあるので、品質が良く、好みに合ったケーブルを選んでいく。

E-250付属の電源ケーブルとは

そもそもE-250に付属しているLuxmanの電源ケーブル「Ultimate Power Cable JPA-10000」は、品質には定評があるノンツイスト構造のOFC極太線ケーブルで同社の10万円〜30万円代の製品の標準ケーブルとなっているようだ。なぜLuxmanがこの電源ケーブルを製品に付属してるのかが後で分かることになる。

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Zonotone 6NPS-3.5 Meister電源ケーブル

新たな電源ケーブルは、音楽的な表現で定評のあるZonotoneのものを試してみようと決めてはいたが、どのランクを購入するかが悩み。予算的には2万円以下としていて、その中だと実売で19,900円だった「Zonotone 6NPS-3.5 Meister」の1.8mを選択。定価128,000円のフォノイコライザに定価25,300円の電源ケーブルというのはバランス的にどうかという気もしたが、DACで使ってもいいし、ランクを下げて中途半端な結果になることは避けたいのでそのまま発注。

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同じフォノイコライザとは思えないほどの変化

届いたケーブルのパッケージを開けると、すごくしっかりした太い電源ケーブル。コネクタ部分も大きく重量がある。E-250に付けるときはコネクタの支えが必須。これは以前制作した木製のブロックがちょうどそのまま使えた。

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ケーブルも硬いので急な曲げはできない。コンセント側も硬くてケーブルが垂直に持ち上がるので、ケーブル長には余裕が必要。今回1.8mを購入したのは正解。1.5mではちょっとキツかったかもしれない。

それで肝心の再生音はどうなったか? 電源ケーブルをZonotoneに変えた直後に最初に聴いた印象は、フォノイコラザ本体を買い替えたのかと思うほど、シャープでダイナミック。電源ケーブル1本での変化としては、これまでの経験で最大。やっぱりアナログはデジタルと比べて何をやっても変化量が大きい。それをどう自分が出したい(聴きたい)音にもってこれるかが課題だが、この電源ケーブル交換は成功のようだ。

この記事を書くまでにいろんなジャンルのレコードを数十枚再生して音の変化も落ち着いてきた。最初のシャープでダイナミックな印象は変わらず、時間の経過と共に特定の音域の強調感もなくなってきた。以前と比較すると音像がシャープで音楽の細部がよく分かる。以前から低音の量感はあったが、Zonotoneに変えて量感よりも質感が向上し、低域は膨らまずにズドッと出る方向。なんといってもシャープになった分、音楽の縦の線がきれいに揃うので、音楽のダイナミズムや躍動感がまったく違う。音場は広がるよりも深くなり、音楽の印影を描き出すので、その曲の本質により近づけるような気がする。だたその分、カートリッジのグレード、レコードのコンディションや録音の差をあからさまに出すようなところがあり、上手くまとめて聴きやすくするようなことは一切しない、そういう冷徹な一面も持っている。

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つまり、交換前のE-250の持ち味だったソフトフォーカスで穏やかで包み込むような表現とは全く違う方向とうこと。それだけ付属の「Ultimate Power Cable JPA-10000」の音調が所謂「ラックストーン」の肝だった。ちなみにその電源ケーブルをDACにつないでみると、DACの再生音が以前のE-250と同じようなソフトフォーカスのラックストーンになることからも、この電源ケーブルの持つユニークな音楽性が分かる。それにこのケーブルトーンのファンも少なくなく、システムの全ての電源ケーブルをこれに変える人がいるのもうなずける。

E-250はコストパフォーマンスの高いフォノイコライザ

電源ケーブルを変えたことで、フォノイコライザ E-250 が美音であるだけでなく、ダイナミックな表現もできることがわかったのは大きな収穫。情報量も増えて解像度も充分あるし、低域の膨らみが解消して力感のある低音を聴かせてくれる。この価格帯としては、優れたフォノイコライザであることを改めて感じた。MMカートリッジならではのサウンドトーンを楽しませてくれる。

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