Sound & Silence

本多重夫の音楽、オーディオ、アートなどについてのプライベートブログ

山本音響工芸の黒檀インシューレーター BP-9 - 手頃な予算でも良い音は得られる

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今使っているヘッドシェルをはじめ、僕のオーディオには、山本音響工芸社の製品が多い。理由の一つは価格が手頃ということがある。1万円前後で黒檀やカーボンのヘッドシェルに6Nのリード線がついているのでいろいろと試しやすい。あと木製が多くて質量が軽いということもある。「軽い」というのは、ここずっと自分の中ではテーマになっていて、質が確保できれば軽い方が音楽の躍動的な表現にプラスになる様に感じている。

同社のブロック型の黒檀インシュレータも導入していて、DAC本体に直接接するように入れてゴム足をバイパスすることで、解像度が向上し音のボリューム感がアップしている。この結果が良かったので、パワーアンプの脚部に同じような黒檀のインシュレーターを追加で導入するのが今回の目的。

スパイク型黒檀インシュレーター BP-9とパワー・アンプの組み合わせ

パワーアンプ Marantz 170 DCの脚部は既に他社の黒檀製の薄型のインシュレーターを入れているので、これと組み合わせるようにスパイク型黒檀インシュレーターのBP-9を選択した。価格は実売で3,000円程度。純正のスパイク受けと組み合わせるならBP-10を使用する。

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4個で対荷重は50Kgとのことなので18Kgの現状のパワーアンプには余裕。既存のインシュレーターには中央に凹みがあり、そこにBP-9のスパイクを組み合わせて設置する。

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さて、設置して音出しをしてみると、全体に音がスリム。高域は確かに伸びがよくなり、音像もクリアなのだが、低域の量感が後退し音楽が腰高でどうもすわりが悪い。音場も狭く中央が音が集まった印象。エージングが必要かと2日ほどそのままで聴いてみたが印象は変わらず。これは望む方向ではないという残念な結果で元に戻す。

おそらくパワーアンプで使用するには重量に対してインシュレーターのサイズが小さすぎるのだろうか。接触する面積が小さいため振動のコントロールが十分でないのかもしれない。

プリアンプでは意外なほどの効果が

パワーアンプでは残念な結果だったが、せっかく購入したことだし気を取り直してプリアンプのMarantz #7の下に入れてみることに。Marantz #7は純正のウッドケースに入っていて、ここにも他社製の薄型の黒檀インシュレーターを既に挟んでいる。

既存のインシュレーターをスパイク受けにして、新しい黒檀インシュレーターを入れていく。思ったよりも結構しっかりとプリアンプがホールドされる。以前は、指でアンプの前面を押すと棚板の上をすべるようなところがあったが、スパイクインシュレーターが入ったことで重量が一点に集中したのか、ラックの棚板の上でピッタリ止まって、指で押したくらいでは動かなくなった。

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この状態で音を出してみると、一聴して音楽のエネルギー感がアップしていることがわかる。高域方向の音の伸びはクリアで解像度も非常によく、アナログを聴いても高域が鮮烈。中低域も間延びせず、緊張があり分解能が良く、聴感上の低域の音量は増えてベースやバスドラ、オーケストラの低域がリアル。音場も左右に広がり、カートリッジを変えたかと思うほど。これはいい、歓迎すべき方向。CDもいいが、アナログ再生がもっと良くなったのが面白い。Marantz #7の内臓フォノイコライザーは奥が深い。

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プリアンプは7Kg程度の重さしかないから、インシュレーターのサイズ的にも相性が良く、筐体がしっかり支えられたことで不要な振動が上手くコントロールされたのだろう。やりビンテージの真空管プリアンプの振動対策は重要ということか。

オーディオアクセサリを上手に使う

オーディオアクセサリは数千円から数十万円まで価格レンジが広く、いきなり高価なアクセサリを購入するには勇気がいるが、こうした数千円程度のインシュレーターでも充分に効果は感じられるし、高価なアクセサリを導入する前にどんな効果が得られそうか、それを事前にテストするような目的で廉価なアクセサリで効果を確認したり体験を積むにはいい。

あと、今回もそうだったが、アクセサリは最初ダメでも違う組み合わせで効果を発揮することがあるので、捨てたりしないでおこう。


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