レコードの日常的なメンテナンスの話。レコードと静電気、そして静電気に吸い寄せれらるホコリはいつも問題になる。このブログでも静電気除去ブラシのことを書いていて、そうしたブラシももちろんいいのだが、やはり盤面を直接拭くのが1番早い。
湿気を含んだ、つまり濡れたもので拭くのがホコリも取れるし、静電気も抑えられる。ウエットクリーナーは各種あって、内部に濡らした芯を入れてその水分が表面に浸透した状態で使うものや、内部に専用の液体を注入して使うものがなどがある。
注意:ここで紹介する方法は個人的には長年実践してトラブルはなのですが、安全性を保証するものではないので、試すときは各自でご判断ください。
濡れた状態でレコードをかけて大丈夫なのか?
濡れた状態でレコードをかけて大丈夫なのか?という疑問はあるだろう。レコードを洗浄したらよく乾かしてから再生するようにという注意書きも多い。その一方で1980年頃にはレンコという名称のクリーナーがあって、それはトーンアームの形をした筒に専用の液剤(蒸留水のようなものだと思う)を充填して、この画像のように先端からその液体を放出してレコード盤面が水浸しの状態で再生するものがあった。
当時、このレンコを実際に愛用していて、盤面が濡れているので確かにプツパツというノイズはとても少なくなり効果は高かった。盤がカビるとかのダメージもなかったし、カートリッジの針先も当然濡れるが、それが原因でカートリッジが故障するようなこともなかった。ただ、当時使っていたのはDL-103やADCやフィリップスのMC/MMカートリッジは、針先のカンチレバーが比較的長く盤面から高さがあったから安全だったと思う。盤面スレスレにトレースするようなカートリッジ だと、液体をかぶってしまう危険はゼロでないし、特にカンチレバー近くにコイルがあるMC型だと濡れた盤面は避けた方がいいだろう。
レンコは気に入っていたのだけど、国内の代理店がなくなって洗浄液が入手できなくなったことと、このチューブがあるので再生中にプレーヤーのダストカバーを閉めることができないなどがあって結局止めてしまった。
中古レコード店で教えてもらったウェットガーゼ クリーニング方法
それで次に始めたのが、このウエットガーゼでクリーニングする方法。これは国立に住んでいたころに、地元の中古レコード店の「ギャビー(Gabby)」の店主に教わった。いつも買い付けたレコードをこのウエットガーゼを何枚も用意して拭きあげていき、汚れたガーゼはまた洗い用の水にどんどん入れていた。僕もバキューム式のレコードクリーナーを購入する前までは、このガーゼ式だった。
ではそのガーゼの準備方法を紹介。以前はドラッグストアで大判のガーゼを買っていたが、今はオンショップでこんなラップのようなロール上のガーゼを入手できる。
長さを60cm位まで引っ張り出してハサミで切る。切れ端はそのままの状態でOK。何枚か作るときは同じサイズで数枚切り出す。
切ったガーゼを鍋に入れて十分に浸るまでたっぷり水を入れて火をつける。沸騰したら20分ほどぐつぐつ煮る。このプロセスが重要で、高温で煮ることでガーゼの繊維が柔なくなり、水分を保持しやすくなる。
終わったら流水でよく洗って、しっかり絞っておく。洗うのは普通の水道水でかまわない。使用するときは一度洗って良く絞ればOK。
そのガーゼを持ちやすいサイズなるように折りたたんで、ターンテーブルなどに置いたレコードの上を時計反対回りの方向で円をを描くように内周から外周に向かって拭いていく。盤面が汚くてゴシゴシ拭きたいときは、机の上などにレコード盤をおいてやるのがいいだろう。拭いていて汚れきたら、別のガーゼに変えるか洗い直す。拭いた後で盤面に多少水滴が残っていても、そのまま再生して大抵の場合は問題ない。
僕の場合は、レコードはバキュームクリーナーで洗浄済みで再生前に静電気をホコリを取る程度なので、一度ガーゼを洗ったらガーゼが湿っている間はそのまま使っている。濡れたガーゼをそのまま置くのは不要な皿やプラスチックのトレイがあれば十分。拙宅ではアロマキャンドルが入っていたガラス壺に入れている。
ガーゼはよく洗いましょう
注意点としては、ガーゼはよく洗うこと。汚れが残っていると雑菌のせいで雑巾臭い匂いになることがある。あと、湿気が少なくなったり乾いた状態では盤面を擦ると静電気がひどくなるので使わないこと。ガーゼがかたくなってきたり、汚れが落ちなくなったら、新しいガーゼに変えていく。それでもレコード専用のクロスに比べると随分安価にクリーニングできるだろう。
この方法で25年以上レコードをほぼ毎日拭いていて水道水のカルキで盤面が白くなるようなことはなかったが、もし心配な場合は浄水器の水でガーゼを洗ってもいいかも。ただその場合は、塩素が抜けているので早く臭くなることがあるので、まめに洗ったほうがいいかもしれない。