人から渡されたCDの中に、このFrictionの1989年のライブ盤『DUMB NUMB』が入っていた。このグループを聴くのは久しぶりでCDは初めてかもしれない。Frictionのライブは東京ロッカーズ全盛期の1979年、80年頃と90年頃にの3回は見ている。何というか、一種風格もあり、ベースでボーカルのRECKには親衛隊風のファンも多くついていた。かなりソリッドな演奏が印象に残っている。
この89年のライブは渋谷のクラブクアトロでの収録で、トリオではなく、LAPISと HIGO HIROSHIの2人のギターが入った特別編成。その分、音に厚みがある。
このCDのライブでのFrictionのサウンドは、初期のPublic Image Limitedに通じるものがある。ギターは時折、キース・レヴィンを彷彿とするものがあるし、RECKのしゃくるような日本語での歌い方やビブラートのかけかたはジョン・ライドンを思わせる。これがパンクのスタイルなんだ。
こうしたスタイルは今でも日本のハードコアに影響を与えているのでは。新年早々に訪れたDiskUnionでガンガンに鳴っていた日本語ハードコアパンクの歌い方もこんな感じだった。
全身汗まみれで声を張り上げて歌い、その一瞬に身を投げ出す。そんな純粋なカガヤキが眩しかった。