Sound & Silence

本多重夫の音楽、オーディオ、アートなどについてのプライベートブログ

ChatGPTで音楽ブログの記事は書けるか? - 人工知能は調子にのって二日酔いにはならない

ここ数ヶ月、自然言語の対話型AIである「ChatGPT」が話題。実際に仕事の一部で使ったりもしているが、音楽ブログの記事は書いてくれそうなのか試してみた。おそらく文化的な文脈のものはあまり得意ではないだろうと予想していたが、まあ、いかにもありそうな記事を考えて(?)くれた。文字数も出してくれている。以下、そのままの全文。

質問:サイケデリックロックの歴史と重要アルバムについての2000文字程度の記事を書いてください。

回答:タイトル:サイケデリックロックの歴史と重要アルバム

イントロダクション(約100語) サイケデリックロックは、1960年代にカウンターカルチャーの一環として生まれた音楽のジャンルです。このジャンルは、心地よいメロディ、実験的なサウンド、幻想的なテーマで知られています。本記事では、サイケデリックロックの歴史と代表的な重要アルバムについて探求します。

第1章:起源とサマー・オブ・ラブ(約200語)
サイケデリックロックの起源は、1960年代初頭のアメリカとイギリスに遡ります。ザ・ビーチ・ボーイズやザ・ビートルズなどのバンドがポップ音楽に新たなサイケデリックな要素を取り入れ始めました。しかし、サイケデリックロックの真の開花は、1967年の夏にサンフランシスコで開催された「サマー・オブ・ラブ」と呼ばれるカウンターカルチャーのムーブメントと共に起こりました。この時期、多くの若者が平和と愛を求め、幻覚剤や実験的な音楽に身を委ねました。

第2章:重要なサイケデリックロックのアルバム(約700語)
2.1 ピンク・フロイド - 『狂気』(The Dark Side of the Moon)
1973年にリリースされたこのアルバムは、ピンク・フロイドの最も有名な作品であり、サイケデリックロックの傑作として広く認知されています。緻密なサウンドスケープ、実験的な演奏、そしてテーマを通じて、人間の心の闇と抑圧に焦点を当てています。

2.2 ジミ・ヘンドリックス - 『アー・ユー・エクスペリエンスト?』(Are You Experienced)
1967年にリリースされたこのアルバムは、ジミ・ヘンドリックスが率いるジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスのデビュー作品です。ヘンドリックスの革新的なギタープレイと魂のこもったヴォーカルは、多くのリスナーに衝撃を与え、サイケデリックロックの金字塔となりました。

2.3 ジェファーソン・エアプレイン - 『サーレンダー・ピルズ』(Surrealistic Pillow)
リリースされたこのアルバムは、ジェファーソン・エアプレインの代表作であり、サイケデリックロックの傑作の一つです。グレイス・スリックの力強いヴォーカルとバンドの実験的なサウンドが融合し、幻想的な曲が詰まっています。

2.4 ザ・ビートルズ - 『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』(Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band)
1967年にリリースされたこのアルバムは、ザ・ビートルズの代表作であり、音楽史においても画期的な作品です。豊富な楽器の使用、実験的なサウンドエフェクト、そして曲間のシームレスなつながりによって、サイケデリックな音楽体験を提供しています。

2.5 ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス - 『エレクトリック・レディランド』(Electric Ladyland)
1968年にリリースされたこのアルバムは、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスの最後のスタジオアルバムです。ヘンドリックスの驚異的なギターテクニックと、幻想的なサウンドの実験性が溢れており、サイケデリックロックの傑作の一つとされています。

結論(約100語)
サイケデリックロックは、1960年代に起こったカウンターカルチャーの一環として、革新的で幻想的な音楽のジャンルとして生まれました。ピンク・フロイドの『狂気』、ジミ・ヘンドリックスの『アー・ユー・エクスペリエンスト?』、ジェファーソン・エアプレインの『サーレンダー・ピルズ』、ザ・ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスの『エレクトリック・レディランド』などは、その代表的なアルバムです。これらの作品は、サイケデリックロックの魅力と革新性を最もよく表現したものとされ、現在でも多くの音楽ファンに愛され続けています。

何かを語っているようで語っていない、間違いではないけれど….

コンピュータ業界に30年以上関わり、何度もの『人工知能』ブームの盛衰を見てきた者として、「Surrealistic Pillow」を『サーレンダー・ピルズ』としているなど仔細なミスはあるが、 AIがこれだけの文章を返してくるというのは、テクノロジーの偉大な進歩だと思う。

ピンク・フロイド - 『狂気』がサイケデリックアルバムなのか? というのは違和感があるとしても、このAIの文書でやはりわかるのは、学習している素材に依存してしまうということ。明らかにキーワードとなっているが、「幻想的」「実験的」「革新的」という言葉。それが繰り返し登場する。学習した素材の頻度語彙だったのだろう。サイケデリックロックの記事としては浅く、ちょっとなんだかなぁという印象が残る。

英語で生成するとどうなるだろう?

次に、同じテーマで英語で質問してみると、生成される文書は変わるだろうか? 以下、英語での全回答文。括弧内の翻訳はmacOSの自動翻訳機能を使ったもの。

質問:write blog article about psychedelic rock include important album title.

回答:Title: Exploring the Mind-Bending Sounds of Psychedelic Rock: A Journey through Essential Albums

(タイトル:サイケデリックロックの心を曲げる音を探る:エッセンシャルアルバムを巡る旅)

Introduction: Psychedelic rock, born in the 1960s, is a genre that pushed the boundaries of music and consciousness. It combined mind-altering sounds, experimental techniques, and thought-provoking lyrics to create a sonic landscape like no other. In this article, we will take a trip through the history of psychedelic rock, exploring some of the genre's most important and influential albums.

(はじめに:1960年代に生まれたサイケデリックロックは、音楽と意識の境界を押し広げたジャンルです。心を変える音、実験的なテクニック、示唆に富む歌詞を組み合わせて、他にない音の風景を作り出しました。この記事では、サイケデリックロックの歴史を旅し、このジャンルで最も重要で影響力のあるアルバムのいくつかを探ります。)

  1. "The Piper at the Gates of Dawn" by Pink Floyd: Released in 1967, Pink Floyd's debut album introduced the world to their distinctive blend of spacey atmospheres, intricate compositions, and philosophical themes. "The Piper at the Gates of Dawn" remains a landmark album of the psychedelic movement, with tracks like "Interstellar Overdrive" and "Astronomy Domine" showcasing the band's experimental approach.

(1.ピンク・フロイドの「夜明けの口笛吹き」:1967年にリリースされたピンク・フロイドのデビューアルバムは、スペイシーな雰囲気、複雑な作曲、哲学的なテーマの独特のブレンドを世界に紹介しました。「The Piper at the Gates of Dawn」は、サイケデリックムーブメントの画期的なアルバムであり、「Interstellar Overdrive」や「Astronomy Domine」などのトラックがバンドの実験的アプローチを紹介しています。)

  1. "Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band" by The Beatles: Widely regarded as one of the greatest albums of all time, The Beatles' "Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band" (1967) broke new ground with its psychedelic soundscapes, studio experimentation, and lyrical depth. Songs like "Lucy in the Sky with Diamonds" and "A Day in the Life" exemplify the album's artistic and sonic innovation.

(2.ビートルズの「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」:史上最高のアルバムの1つとして広く認められているビートルズの「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」(1967年)は、サイケデリックなサウンドスケープ、スタジオ実験、叙情的な深みで新境地を開拓しました。「Lucy in the Sky with Diamonds」や「A Day in the Life」などの曲は、アルバムの芸術的および音響的革新を例示しています。)

  1. "Are You Experienced" by The Jimi Hendrix Experience: Jimi Hendrix's debut album, "Are You Experienced" (1967), brought psychedelic rock to new heights with its virtuosic guitar playing, innovative use of effects, and Hendrix's soulful vocals. Tracks such as "Purple Haze" and "Foxy Lady" are timeless classics that capture the essence of the era.

(3.ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスの「Are You Experienced」:ジミ・ヘンドリックスのデビューアルバム「Are You Experienced」(1967年)は、そのヴィルトゥオーゾ的なギター演奏、エフェクトの革新的な使用、ヘンドリックスのソウルフルなボーカルでサイケデリックロックを新たな高みに引き上げました。「パープルヘイズ」や「フォクシーレディ」などのトラックは、時代の本質を捉えた時代を超越したクラシックです。)

  1. "Forever Changes" by Love: Released in 1967, Love's "Forever Changes" is a masterpiece of psychedelic folk rock. The album's lush orchestration, poetic lyrics, and introspective themes create a mesmerizing listening experience. Songs like "Alone Again Or" and "Andmoreagain" showcase Love's unique and enchanting sound.

(4.Loveの「Forever Changes」:1967年にリリースされたLoveの「Forever Changes」は、サイケデリックなフォークロックの傑作です。アルバムの緑豊かなオーケストレーション、詩的な歌詞、内省的なテーマは、魅惑的なリスニング体験を生み出します。「Alone Again Or」や「Andmoreagain」のような曲は、ラブのユニークで魅惑的なサウンドを披露しています。)

  1. "Electric Ladyland" by The Jimi Hendrix Experience: Considered Hendrix's magnum opus, "Electric Ladyland" (1968) is a sprawling double album that pushes the boundaries of psychedelic rock. With tracks like "Voodoo Child (Slight Return)" and "All Along the Watchtower," Hendrix's innovative guitar work and genre-bending soundscapes redefine what was possible in rock music.

(5.ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスの「エレクトリック・レディランド」:ヘンドリックスのマグナム作品である「エレクトリック・レディランド」(1968年)は、サイケデリック・ロックの境界を押し広げる広大なダブルアルバムです。「Voodoo Child (Slight Return)」や「All Along the Watchtower」などのトラックで、ヘンドリックスの革新的なギター作品とジャンルを曲げるサウンドスケープは、ロックミュージックで可能なことを再定義します。)

Conclusion: Psychedelic rock remains a timeless genre that continues to captivate and inspire listeners with its mind-expanding sounds and introspective themes. The albums mentioned above are just a glimpse into the rich tapestry of psychedelic rock's history. Exploring these influential records is an invitation to embark on a sonic journey that will transport you to another dimension, evoking deep emotions and expanding your musical horizons. So put on your headphones, sit back, and let the mind-bending sounds of psychedelic rock take you on a transcendent adventure.

(結論:サイケデリックロックは、その心を広げる音と内省的なテーマでリスナーを魅了し、刺激し続けている時代を超越したジャンルのままです。上記のアルバムは、サイケデリックロックの歴史の豊かなタペストリーを垣間見るだけです。これらの影響力のあるレコードを探索することは、あなたを別の次元に運び、深い感情を呼び起こし、あなたの音楽の視野を広げる音の旅に乗り出すための招待状です。だから、ヘッドフォンをつけて、座って、サイケデリックロックの心を曲げる音があなたを超越的な冒険に連れて行ってください。)

英語のコンテンツによる学習量の圧倒的な差が顕著

前記した日本語版と比較して、英語版はよりサイケデリックロックに関する詳細で正確な知識を備えているし、文章もより自然でこなれている。やはり英語コンテンツによる圧倒的な学習量の差がこういうところに出てくるのだろう。

アルバムの選択も、ピンク・フロイドはファーストアルバムの「夜明けの口笛吹き」だし、日本語ではなかったラブの「Forever Changes」を入れるなど、日本語よりも本格的な記事になった。それに最後には「So put on your headphones, sit back, and let the mind-bending sounds of psychedelic rock take you on a transcendent adventure.」という気が利いたフレーズで結んでいて、より人間が書いた雰囲気に近づいている。英語版と比べると日本語の 文書はずいぶん紋切り型に思える。

ブログの記事に使えそうか? AIは体験することができない

しかし、英語版でも相当リライトしないとブログの記事にするのは難しいだろうな。知識はあるが主観的な経験を欠いている。AIが生成する文書にはその音楽を聴いた自分の声がない。AIはサイケデリックロックのレコードを聴いて、調子にのってウイスキーを飲み過ぎて二日酔いになることはない。そうした非生産的で愚かなことを人間はするが、それが人を人としての存在に結びつけている。ブログの良さは、自分とは違う人生を生き抜いている人たちの記事を読んで、読み手が感化されれることにあるのではないか。

ChatGPTのような生成型、対話型のAIを使っていると、生身の人間が、自分と格闘しながら、稚拙であっても何かを生み出すものが愛おしくなってくる。


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