Thinking is The Form

本多重夫の音楽、オーディオ、アートなどについてのプライベートブログ

iPadOS Beta7 をテスト導入 - 使い勝手を大きく改善

今秋正式リリース予定のiPadOSが開発者向けBetaのバージョンが7になり、安定度も増したようなので、使っているiPadPro 12.9inch(第3世代)にインストールしてみた。

今回からiPhone向けのiOSとiPadOSが分離して、iPadOSの方はスマートデバイスというよりもiPadらしさを残しながらラップトップPCの使い勝手を目指す、という二兎を追っている。そうしたiPadProの製品ポジションの変化を受けて、小型のMacbookが製品ラインアップから外れてしまったのは当然のことかもしれない。

iPadOSをインストールして1日使ってみての感想は、先に書いたように、ラップトップの使い勝手を目指しつつ、iPadの良さを残すという微妙な舵取りに苦心したことがうかがえる。既存のアプリの使いやすさも細かく改善されていて、iPadProを日常的に長時間使っているユーザーとしては好印象。

ダークモードが好きなのは誰なのだろう

iPadOS(iOS13)からmacOSと同様にダークモードが導入された。WWDCの発表の時も喝采があったのでダークモードが好きな人は多いのだろう。僕にはコントラストが強すぎてダメで、通常のライトモードの方が自然に感じられる。

画面のアイコンが小さくなって最大30個並ぶようだが、もっと間隔を詰めて表示数を増やしてもよかったような気もする。ウィジット表示はギミックとしては面白いが、実用性はどうなんだろう。PCと違ってデスクトップ上にアプリケーションが展開するわけでないので、ウィジットを見るチャンスは少ない。むしろノーティフィケーションを工夫した方が良かったのでは?

UIでは、ボリュームコントロールが画面のど真ん中でどんと出るのが無くなり、スクリーン上部にバーで表示されるようになったのは良かった。

メール:スタイル要素が増えたが、スパムフィルタはなかった

メールアプリは、文字サイズ、色、箇条書き、段下げなどメール内で適応できるスタイル要素がグッと増えた。ApplePencilもサポートされ、手描きの指示書やイラストなどもメールの中に書き込める。

便利な機能としては、このバージョンからメールのスレッド表示が可能となった。ただ、残念なことにmacOS版にあるようなスパムフィルタは今回も実装されなかった。

Safari:デスクトップブラウザになり、機能を強化

iPadOSの一番の目玉はSafariがデスクトップブラウザになったことかも。従来はモバイルブラザウだったので、サイトによってはスマートフォン向けのサイトが表示されてしまっていた。これでオンラインバンキングもiPadで使えるし、CMSで運用されているサイトの更新などもできるようになる。このはてなブログの記事もアプリではなくブラウザで投稿できている。

細かいところでは、文字サイズの調整、ツールバーを隠してのフルスクリーンモード、モバイルサイトへの表示切替なども行える。

ブラウザ全体のスクリーンショットが撮れるようになった。これで長いページでも全体に書き込みをして保存できる。仕事上この機能は助かる。

自分のアバターでメッセージアプリを使える

これはWWDCでもウケていた機能でメッセージ用のアバター(Animoji)が作れる。よくできていて、肌の色、髪型、まゆ、目、メガネなどの非常に細かいパーツに分かれていて、人種や宗教をカバーできるようになっている。

こんなアバターを作ってみたが、FaceIDカメラが顔の動きを捉えて実にリアルに動く。いい年の大人が、こんな顔が動いて喋るメッセージを送ったらちょっとキモい感じかもしれないが。

マルチタスク機能の強化

マルチタスク機能は強化された。依然からスプリットスクーンで複数のアプリを並べて表示できたが、iPadOSでは一方のアプリ部分に複数のアプリを切替えて使えるようになった。

原稿などを書いているときに、同じアプリの別のファイルを参照したいとき時がある。iPadOSでは同じアプリを複数起動することでこれを可能にした。この画面の例ではNotesを2つ起動して違うノートを参照している。

ただこの機能はアプリ側での対応が必要で、今のところはメールやNotesといった純正アプリのみが対応。iPadOSの正式リリース後にはいろんなアプリでも使えるようになるのだろう。

「より多くのことができる」よりも「シンプルで効率的に使える」こと

この他にもFileアプリでUSBドライブやUSB接続HDDが使えたりと、ラップトップに対抗できるような機能を搭載した。ただ、ラップトップPCのユーザーがiPadOS搭載のiPadProに簡単にスイッチできるか、というと疑問は残る。結構ストレスが溜まるかもしれない。それはラップトップPCが「持ち運べるデスクトップPC」という起源があるのに対して、iPadは「より人間に近い、新しいコンピューティングエクスペリエンス デバイス」というコンセプトから生み出されている。なので、「より多くのことができる」よりも「シンプルで効率的に使える」ことに主眼がある。

iPadProが「クリエイティブな人向けである」という論調は一面的過ぎるように思える。シンプルで機能が限られているから集中して取り組める、というのがこのデバイスのスイートスポットではないか。それは1984年の初代のMacintoshが具現化してみせてくれたことでもある。