Sound & Silence

本多重夫の音楽、オーディオ、アートなどについてのプライベートブログ

アナログ

RCA Victor - LIVING STREO - 音の良いクラッシックレコード - 異国の地で母国を想う

学芸大学の中古レコードのお店「サテライト」に寄ったら、オーディオファイル向けの高音質クラシックレコードがどっさりあって、RCA VictorのLIVING STEREOシリーズの再発盤からこの2枚を選んだ。 RCA VictorのLIVING STEREOシリーズとは このLIVING STEREO…

Solid Space / Space Museum - 無垢で素朴な情熱が勝るとき

新年明けに所用があって横浜方面に出向いたときに横浜のDisk Unionに立ち寄って何枚かレコードを購入した。横浜のDisk Unionは数年ぶりで2回目だが、前回も今回も店内では日本のハードコアパンクがけっこうな音量で流れていて、店内も少し荒んだ雰囲気がある…

2022年に手にしたアナログレコードから - 聴きたいもの、欲しいもの、手元におきたいもの

年末までに書こうと思っていたが間に合わず。2022年は新譜、旧譜ともにレコードの購入ペースが落ちている。前年の半分以下かもしれない。自分の中での限界のようなものもあって、その話は以前書いた。もちろん買ったレコードはどれもこれも好きだし、何度も…

William Eggleston / MUSIK - 誰のためでもない自分のための即興演奏

自分が60歳を超えて「老人」の域に向かっていると、老人となった先輩達が何をしているかが気になってくる。 若い頃は、芸術家の晩年は活力を失ったノスタルジアばかりではないか、思っていた。 『叫び』で有名なムンクの晩年の作品には、もうノイローゼや強…

Amaryllis & Belladonna / Mary Halvorson - パンデミック渦で花開いた音楽

また少しレコードを買いはじめて、その一つが少し前から欲しかったフリージャズギタリストのMary Halvorsonの(アナログでは)2枚組のアルバム『Amaryllis & Belladonna』をようやく手に入れた。新譜のアナログ盤でも買い時を逃すと、次のチャンスはなかなか…

ベートーヴェン/後期弦楽四重奏曲 - 耳が聞こえなくなった作曲家の音楽

ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven 1770 - 1827)は学校の音楽室にこのジャッケットのような胸像が飾ってある大作曲家。年末なれば「第九」の「歓喜の歌」のメロディが流れてくる。ドイツを除けば日本ほど第九が好まれている国はないだろう。元はドイツ…

SHURE カートリッジ V15 Type3のウッドケース化 - ハイファイからロウファイ、音楽に豊かな響きを加える

これまでもSHURE M44GやM75EB Type2をシルバーハートの黒檀やローズウッドの材質でウッドケース化を行なってサウンドの変化を楽しんできたが、いよいよV15 Type3のウッドケース化をやってみた。今回はその話を。 カートリッジとウッドケースの関係 カートリ…

Monument / Molchat Doma - 静かに溺死させてくれ、と歌うダンスミュージック

最近気になっていたレコードを偶然見つけた。それはMolchat Doma の『Monument』。このグループのことを知ったのは、YouTubeのおすすめに表示されたこのビデオを見たことがきっかけだった。 www.youtube.com チェルノブイリの跡地を思わせる共産主義を象徴す…

The Bridge / Thomas Leer & Robert Rental - エレクトリックでモノクロームな世界

1979年のリリースされたダークウェーブ、ダークアンビエント、インダストリアルテクノの原点とも言えるアルバム。この作品の影響を受けた人も少なくないだろう。最近リイシューされて入手しやすくなったのはよかった。ストリーミングでも聴けるようになって…

レコードを買うことよりも聴くこと - 悩んで買って繰り返し聴くことで見えてくること

COVID-19の前は仕事の打ち合わせがあると、その帰りにレコード店に寄って買っていたりしたが、パンデミックになって全てリモート会議に移行して便利になった分、そうしたチャンスはなくなり、たまに学芸大のサテライトに散歩を兼ねて行く程度になってしまっ…

SHUREカートリッジの交換針の今 - JICO製・無垢楕円針とナガオカ製の交換針を買ってみた

レコードを聴くにはカートリッジが必要で、その針は消耗品なのでいずれ交換が必要になる。ただ針先のクオリティやユーザーの使用状況によってその寿命はずいぶん変わる。きちんとクリーニングされた埃のないレコードを再生するのと、クリーニングをしないで…

Camembert Electrique / Gong - 自由であれと伝えるヒッピーの伝道師

Gongは不思議なグループで、1960年代末に初期にSoftMachineがフランスで演奏した後で帰国の段になったら、メンバーのDaevid Allenがドラッグかビザの問題で英国に入国ができなくなってフランスに止まったことには始まっている。元々Daevid Allenはメンバーの…

Script of The Bridge / The Chameleons - 音楽と共に老いていく幸福なノスタルジア

この1983年にされたアルバムのことはつい最近まで全く知らなかった。The Chameleonsは英国マンチェスター北部で絶大な人気があったローカルバンドだったらしい。マンチェスターといえば、Joy Divisionを擁したFactoryレーベルの本拠地でもあり、僕も当時多く…

ウエスタン・エレクトリックのスピーカーケーブルを聴く - あるがままに音楽を聴かせる不思議なケーブル

Western Electric(ウエスタン・エレクトリック)のスピーカーケーブルの話。ウエスタン・エレクトリックのビンテージケーブルというのは、一部では絶対的な支持があり、カルトアイテム的な印象を持っていた。 ウエスタンエレクトリック社は1869年に電信設備…

STERLING刻印とMASTERDISK刻印の話 - カッティングによるアナログレコードの音の違い

アナログレコードのレーベル面がある内側の無音部分(ランアウトとも呼ばれる)には、そのレコードに関する情報が刻印されていて、コレクターや音の良いレコードを探す人にとっては重要な情報源となっている。それはレコードが制作されるプロセスとも密接に…

学芸大学「サテライト」へ久しぶり出かけて中古レコードをいろいろ買う - David Cross, Michael Hoenig, Codes In The Clouds, Steve Marcus, Michael Mantler, Olivier Messiaen

これまで何度か書いたことのある学芸大学にある街の中古レコード屋さんの「サテライト」。去年は2か月に1度くらいは行っていたが、仕事が忙しかったりいろいろあって今年になってから初めての訪問となったが、お店はいつも通りの雰囲気。あまり変わっていな…

SRSQ / Unreal - すべてのものが暗黒の中にあっても私は太陽のからの瞬き

この1年ちょっと探していた女性シンセ、ダークウェーブアーティストのSRSQ の『Unreal』とタイトルされたレコードが入手できたのでその話を。 多くの若者、アーティストが犠牲になったゴーストシップの火災 このアルバムについて書くにはまずこの事件に触れ…

シェーンベルク、ベルク、ヴェーベルン、バッハ - 古いボックスセットのレコードを聴く

クラシックの箱物LPセットの話。ストリーミングの時代になってもロックやジャズのアニバーサリーボックスセットは手を変え品を変え登場するが、1960年代後半〜70年代後半に多かった豪華なクラシックのボックスセットは姿を消してしまったように思う。今では…

ガーゼでレコードのウェットクリーニング - 日常的な安価なクリーニング方法

レコードの日常的なメンテナンスの話。レコードと静電気、そして静電気に吸い寄せれらるホコリはいつも問題になる。このブログでも静電気除去ブラシのことを書いていて、そうしたブラシももちろんいいのだが、やはり盤面を直接拭くのが1番早い。 湿気を含ん…

Scott Walker / Bish Bosch - スコット・ウォーカーは過去を振り返らず闇の中を進む -

去年の終わり頃からScott/ Walkerの晩年のアルバムをまとめて聴いている。聴けば聴くほど深みにはまりそうな音楽で、彼の晩年のアルバムに比べたらDavid Bowieのベルリン三部作ですら当たり障りのないポップなアルバムに聴こえてくる。 多くのアーティストは…

Marantz Model 3250 再登場 - 音楽が心地よく歌うプリアンプ

仕事が詰まってしまってブログのまとまった記事が書けないのはストレスだったりするけど、レコードは相変わらずインターネットで買っていたりする。そんなこんなの中でメインで使っていたビンテージのプリアンプMarantz Model 7が不調に。 少し前からボリュ…

ECMレーベル - リバーブのつまみを握りしめた魔術師の世界

オーディオ雑誌の『STEREO』の特集が「ECMとオーディオ」だったので久しぶりに購入してみた。ECMレーベルとしての最初のリリースが1969年。それから50年を経てもオーナーのマンフレート・アイヒャーはずっと君臨し、レーベルのサウンドトーンも一貫している…

MMカートリッジの消磁を本気でやってみる - analog誌の記事「かないまる消磁レシピ」を検証

『analog誌『2022/Winter Vol.74』にカートリッジ の消磁に関する記事があったので検証してみた。この記事にもある通りカートリッジ の消磁はMCカートリッジではよく言われるが、MMカートリッジでも帯磁は音の劣化の原因になる(コイルの鉄心が帯磁する)。…

SHUREのカートリッジ を聴き続けて- 閉じ込められた過去の時間を蘇らせる

このブログを書き始めた2018年の初め頃からSHUREのカートリッジを意識してポツポツ集めて、いろいろ試行錯誤しながら聴いてみて、最近ようやく思うような音で再生ができるようになってきた。以前書いた記事と重複するところもあるが、SHUREのカートリッジ に…

2021年に手にしたアナログレコードから - 音楽は言葉では説明できないものを運ぶことができる器

去年も2020年によく聴いたアルバムの記事を書こうとしたのだけど時間切れでボツにしてしまったので、今年こそ2021年版を書いてみる。間に合うかな? 今年もアナログレコードを中心に新譜も中古も100枚近く買ったのではないかと思う。昔と買い方が変わってき…

LOW / HEY WHAT - 黙示録的な讃美歌 - 2021年ベストアルバム

『Low』は、1993年に米国ミネソタ州で、ギターとボーカルのAlan Sparhawkとドラムとボーカルの Mimi Parkerの二人で結成されたグループ。二人にベースが加わり3人のミニマル編成で音楽は非常にゆったりとした素朴なもので、所謂ローファイの代表的なグループ…

Barbara Hannigan / Vienna: Siecle - バーバラ・ハンニガン / ウィーン:世紀末 - 100年前の音楽を今の歌として歌う

Barbara Hannigan(バーバラ・ハンニガン 1971-)は、カナダ出身のソプラノ歌手で20世紀の現代音楽作品を得意とする。もちろんテクニックは素晴らしいのだが、それだけでなく作品への理解が深く表現力にも優れ、現代音楽の声楽曲がこんなに美しいものだった…

Pink Floyd / A Momentary Lapse of Reason(2019年 リミックス版) - ノスタルジーから逃れて

最近は旧譜のリマスターも一巡したのか、リミックスブームがロックやジャズのジャンルを問わず続いている。同じアルバムを何回リリースできるかギネス記録を目指しているような往年のグループの作品もあったりするほど。僕は基本的に「リミックス」ものは買…

SHURE V15 Type IVをType IIIの交換針で聴く - AC3000MCのストレートアームを復活

山本音響工芸のツゲ材ヘッドシェルに取り付けて聴いていたShure V15 Type IV、どうもJICO製の楕円針が寿命なのか、最近音の伸びいまひとつ。Type IV用にJICOのSAS針を注文しようかとも考えたが、それも当たり前過ぎるしな....と考えて時間が過ぎていたところ…

Sunn O))) とオリビエ・メシアンの相関関係 - 響の中のメッセージに耳をすませる

少し前に米国シアトル出身のドローンメタルバンド、Sunn O))) の2009年のアルバム『Monoliths & Dimensions』の2枚組アナログ盤の中古をたまたま見かけて購入して聴いたことから始まる。Sunn O))) が所謂メタルバンド的なフォーマットでもない(ドラムがいな…


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