Sound & Silence

本多重夫の音楽、オーディオ、アートなどについてのプライベートブログ

アナログ

PANGAEA/ Miles Davis - 究極のブラックヘビィメタル

僕が初めて動くマイルスデイビスを見たのは1973年にNHKの「世界の音楽」という番組で来日公演の放送を見たことだった。その時の映像は今でもYouTubeで見ることができる。 演奏が始まってからステージの緞帳が上がる演出は今では考えられない。マイルスは異様…

電源ケーブル用制振アダプタを自作してみる - 簡単にできる音質改善グッズ

最近、ケーブル用制振アダプタというオーディオアクセサリが流行っている。電源ケーブルだったり、信号ケーブルだったり、アンプやプレーヤーの後ろから垂れ下がっているケーブルをしっかり支えてあげることで音質を改善するグッズ。 確かに、音質改善を目的…

SHURE V15 TypeV - MR - JICO SAS針 - 「音楽との対話」

今年2月に購入した中古のSHURE V15 TypeV - MR。少し歪っぽいというか、ちょっと音質が埃っぽいところがあって、今ひとつな感じがするので、思い切ってJICO社のSAS針を新たに購入してみることにした。 今回選択したのはSAS針としてはオーソドックスなボロン…

Kraftwerk / Trans Europa Express - クラフトワークはドイツ語で聴かないと

このエントリーを書こうとしばらく前に思ったら創設メンバーのラルフ・フッター(Ralf Hütter)が亡くなり、追悼記事がたくさん出て、それに便乗するような印象となるのも嫌だったのでちょっと時間を置いていた。 そもそもKraftwerkは、ラルフ・フッターとフ…

四人囃子 / 一触即発 - 狂った初夏の陽射し

日本のロックを聴かないかというと、そうではない。一番初めはTVで見たモップスから外道、遠藤賢司、コスモスファクトリー、フラワートラベリングバンド、PYG、裸のラリーズや東京ロッカーズの頃は、フリクション、ヒカシュー、自殺、8 1/2、ボルシー、プラ…

ハイファイ堂レコード店の閉店セールでまとめ買い - バーゲンの罠に進んでハマってみる

ここ数年はオンラインで中古のオーディオ製品や中古レコード、CDの購入で利用していた名古屋を本拠とする「ハイファイ堂」のレコード店が(新型コロナウイルスで来客が減ったことも関係しているのか)GW中に突然5月末で閉店とのアナウンス。それで全品50%OF…

Ultravox! / Ha!-Ha!-Ha! - ささくれた心に染み込むサウンド

70年代英国パンクロックムーブメントというと、Sex Pistols が余りにも有名だが、ピストルズはファンションブティックのオーナー、マルコム・マクラーレンが仕掛けた所謂ブランドアンバサダーを目的とするロックバンドを出自としているのに過ぎないのではな…

フォノイコライザ E-250 の負荷容量設定の調整 - SHUREのカートリッジの適正値はどこか

ちょうど1年前に購入したLuxmanのフォノイコライザ E-250。その後でプリアンプ Marantz #7を購入したこともあって#7のフォノイコライザで聴く機会が多くなったが、やはりフォノイコライザ専用機のメリットはあるはずで、その辺りを試してみたくなった。 MMカ…

Crala Haskil / Konzerte Fur Kavier und Orchestra - ありのままのモーツァルトのピアニズム

僕はあまりモーツァルトは聴かない。嫌悪しているわけではないが存在が絶対視されてしまっていて、クラシック界のビートルズ的な存在であり、批判や異議申し立てを受け付けてくれないからだ。ベートーヴェンにもそうしたところがあるが、映画『レオン』の中…

Giuseppi Logan / MORE GIUSEPPI LOGAN - ジュゼッピ・ローガンの自由な世界

芸能や芸術家と薬物の関係には長い歴史がある。フランスの作家、ジャン・コクトーはアヘン中毒だったし、ビート作家のウィリアム・バロウズは死ぬまでコカイン、ヘロイン中毒だった。バロウズは「適量のヘロインを取り続けると決して風邪をひかない」とまで…

Iannis Xenakis / Persephassa - 過去が未来であり、現在が永遠であること

僕にとっての「現代音楽」は、ロックやフリージャズと並行してずっと身近なところにあって良く聴いてきた。一番の理由はNHK-FMであった上波渡氏の「現代の音楽」を聴いていたこと。 NHK-FM「現代の音楽」という番組 番組はバッハ=ウェーベルンの「6声のリチ…

SHURE V15 TypeV-MR カートリッジ - CD時代のアナログカートリッジの意気込み

SHUREのハイエンドカートリッジとなるSHURE V15 TypeV-MRは、1983年から1993年まで販売され、1994以降は後継となるV15 TypeVxMRとして1996年に復活して2005年まで販売が継続されていた。今回中古で入手できたのは先のV15 TypeV-MR。当時の価格は60,000円以上…

Eric Dolphy / Iron Man - ランチに出かけたドルフィーがやっていたこと

エリック・ドルフィーついて語るのは危ない。「お前はジャズが分かっていない」と何度絡まれたことか。そう、確かにジャズがわかったと言えるほどほどジャズは聴いていない。でも「ジャズを分かる」ってどういうことなんだろう。「ジャズ」を「ロック」や「…

Albert Ayler Trio / Spiritual Unity - 物語る声がある音楽

フリージャズの中でアルバート・アイラーが今やどんな場所を占めているのか分からないが、どうもドルフィーのように尊敬されたり、コルトレーンのように神格化されていることはないようだ。昔のジャズ喫茶ではお客さんを追い出したいときは、アルバートアイ…

Pink Floyd / The Later Years 1989 - 2019 - LP 2枚組でお腹いっぱい

Pink Floydは10代の頃からずっと聴いているフェバリットアーティスト。最初に買ったアルバムは『Meddle(おせっかい)』で『Echoes』は、それこそ何回聴いたかわからないほど。 Pink Floydは時代によって変遷があるが、この「The Later Years 1989 - 2019」…

アコースティックリバイブ SIP-8Q - たかがショートピン、されどショートピン

長くオーディオをやっているが、これまであまりショートピンについて考えたことは無かった。アンプの空きジャックがホコリで汚れたり、錆びたりを防止するためのプラチック製のカバーを付けていただけだった。 アンプの空きRCAジャックをそのままにしている…

The Stranglers / Black and White - あらゆる情緒を拒絶する音楽

1970年代後半のパンクムーブメントの中で、多くのバンドがデビューした。パンクバンドに対する一般的なイメージは、楽器を始めたばかりのメンバーが3コードをかき鳴らしながら社会への不満をがなり立てる、というものだった。確かにそういうバンドも多くあっ…

Ornette Coleman / Free Jazz - 衝突でなく融和する創造性

1960年12月にニューヨークで録音され、1961年にリリースされたオーネット・コールマンの「Free Jazz - Collective Improvisation」とタイトルされたアルバムは、なんといってもジャケットデザインが斬新で素晴らしい。 それまでのジャズアルバムのカバーと言…

Marantz Model 7 コントロールアンプ (2)-  ここにはアナログもデジタルもなく、ただ音楽があるだけ

前の記事でMarantz Model 7のことを「その音はカルフォルニアの青い空」と書いたが、Marantzが拠点を西海岸に移したのは1964年のことで、このModel 7の頃はニューヨークの郊外に拠点があったわけだから「その音はカルフォルニアの青い空」という表現は変だっ…

Marantz Model 7 コントロールアンプ (1)- その音はカルフォルニアの青い空

Marantz Model 7とは Marantz Model 7は、米国Marantzが1958年の暮れにリリースしたコントロールアンプで、当時の技術的、音楽的、デザイン的なブレークスルーとなった製品。設計はマランツ創設者のSaul Marantz氏の手によるもの。チャンネルあたり3本の真空…

SHURE M44G カートリッジの交換針聴き比べ - 個性派か中庸派か

SHUREの交換針聴き比べシリーズの最後はM44Gカートリッジ。 M44Gカートリッジとは M44GはSHUREが1963年にリリースした当時としては軽針圧、ハイコンプライアンスのハイファイ向けカートリッジで、その堅牢な作りから近年はDJプレイ時のスタンダードカートリ…

Ginger Baker / Ginger Baker's Air Force - 追悼:ジンジャー・ベーカー「好きな事をやるんだ」

人は歳を取れば順番に去っていくのは避けることはできない。 ジンジャー・ベイカーがいなければ、Creamのあの微妙なバランスはなかっただろう。彼のドラムがなければ『White Room』の出だしがあれだけ印象深いものになっただろうか? 『Sunshine of your lov…

Tony Williams / Turn It Over -ひっくり返してしまえ! 迷いのないドラムが教えてくれること

Tony Williams(トニー・ウィリアムス)は、13歳でジャズドラマーとしてデビューし、1960年代前半には17歳でマイルス・デイビスのレコーディングに参加するという早熟ぶりを発揮する。その若く、勢いがあり、ピュアでパワフルなドラミングが当時の多くのジャ…

Luxman E-250のアーティキュレイター機能でカートリッジをリフレッシュ

先日記事にしたようにV15 type IIIが良くなったに比べて、同じ SHUREのM75EB Type2のカートリッジのサウンドが今一つ。レンジが狭く覇気がない感じの音で、以前のような鳴りの良さが後退してしまっている。中古で購入したビンテージものなので経年変化なのか…

SHURE V15 Type3 の交換針を変えて音質の違いを楽しむ

以前、「SHURE M75ED カートリッジ - 針交換で音質を変えて楽しむ」という記事を書いたが、SHURE V15 Type3カートリッジを山本音響工芸のカーボンシェルに取り付けてから、がぜん好みのサウンドになってきたので、V15 Type3でも交換針の種類を変えてサウンド…

The Band / Music from Big Pink - 救いのない世界へ向けた絶望的な絶叫

実は僕はごく最近になるまで「名作」と呼ばれるアルバムを聴くことをずっと避けていた。その理由はその「名作」に過去、あまりに多くのおひれが付いてしまっているから。 1960年代から80年代の日本のロックジャーナリズムは、英語のハンディ(アーティストと…

Harbie Mann / Stone Flute - アンビエント ジャズとしての先駆的作品

ハービー・マンは米国出身のジャズフルート奏者で、1960年代から70年代にかけてフュージョンの先駆けというか、ブラジル音楽などのワールドミュージックをマシュアップしてジャズに取り込み、ジャズからポップミュージック、ダンスミュージックの領域で成功…

中古レコードの落書きの面白さ - レコードの物語の一部になること

中古レコードを購入するときに新品同様というのはそれなりに良いけれど、僕は中身がちゃんと聴ければそれでいい派なので、ちょっとジャケットが傷んでいたり、書込みがあっても価格が手頃なら気にしない。むしろ、前オーナーの人柄が伝わってくるようで、面…

Scott Walker / 4 - 不安な時代に共鳴するスコット・ウオーカーの歌声

最近買ったレコード6枚目の話。7月に以前から気になっていた60年代のポップシンガー、スコット・ウォーカーのアルバムを中古4枚まとめてジャンク扱いの4枚2,000円の廉価で販売しているサイトがあったので思わず購入。 僕がスコット・ウォーカーを意識するよ…

Andante Largoの『Weefolk Board』オーディオボードを試聴 - 重いことがいいことではないことを実感

もう30年以上使っているMicro BL-77のターンテーブルを他のものに変える気は全くないのだが、もう少しグレードをあげる方法はないかとオーディオ雑誌を読んでいたら、ターンテーブルの下に専用のオーディオボードを置く比較レビューが載っていた。 その記事…


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