Jazz
最近よく聴いているKali Maloneの新しいアルバムの話。 あるアーティストの作品を聴き続けていて、ある時、それとは離れた存在と思って聴いていたアーティストとコラボレーションで結びつくことがある。同じ人間が聴いているわけだから、何らのベクトルが似…
FOTEXのデスクトップスピーカーを買ってから、MacBookProやiPadProで仕事や雑務をしながら、ストリーミングを聴いたり見たりしている。そんな中で印象に残ったものについて。 Six Organs Of Admittance / Sleep Tone (2020) 新しいものはhiroshi-gongさんの…
これも久しぶりに学芸大の「サテライト」に出かけてみた。気分が盛り上がらなかった関内のDisku Unionとは違い、個人でやっている小さなお店ならではよさを実感。店主と売っているものとの結びつきがあるというか、CDやレコードが売り物としてただ棚に放り出…
また所用で横浜方面に出かけたので関内のDisk Unionを再訪問。結局リアルな店舗での買い物は、前回この店に来て以来。でも、ショップに入っても以前のような高揚感のようなものは感じなくなっている自分がいる。もう、あれもこれも聴いてみたいは、ストリー…
僕の中では、近年、LOW(残念なことにドラマーのMimiの死亡によりもう聴けなくなってしまったが)と並んで重要な存在なのが、このニューヨークを拠点として Che Chen (guitar)と Rick Brown (drums) の二人でニューヨークを中心に活動する、75 Dollar Bill。…
以前、記事に書いたアメリカを代表する写真家、William Egglestonのまさかのセカンドアルバムがリリースされた。1枚目はKorg M1をバッハ風のフリーフォームで弾いていくものだったが、この2枚目は最初の1曲以外はスタンダードナンバーを、それもかなり自由に…
1ヶ月ほど前に所用で横浜方面に出かけた時に、初めて関内のDisk Unionに寄ってみた。平日だったけど年配のお客さんが多いのは同じ店舗内にJAZZ館エリアがあるからか。壁には数万円〜10万円以上の価格のジャズアルバムが並んでいた。以前訪れた日本のハードコ…
最近手に入れたMarantz CD-34が気に入ってしまいCDを聴くことがずっと増えた。それもあって、気になっていたタイトルをDiskUnionの通販で購入してみた。CDはレコードに比べると安い。最新のリマスタ再発でなく1世代前のリマスタ再発や旧盤だと500〜600円位か…
最近はアナログレコードのことばかり書いているけど、もちろん日常的にはCDやストリーミングも聴く。CDについては、90年代の製品のNakamichi CD-4のデジタルアウトをATOLLのDAC200につないで聴いていて、それはそれで大きな不満はなかったが、ハイファイ堂で…
今でこそECMレーベルは欧州ジャズレーベルとして評価が確立しているが1969年の設立当初からそうだったわけではない。英国バージンレーベルが「Tubular Bells」のベストセラーでビジネスの基礎を固めたように、ECMではチック・コリアの「Return to Forever」…
基本的にインターネットは新しい情報でどんどん上書きされ、過去の情報は無駄なものとする価値観の世界だが、そんなインターネット情報をアーカイブしていく「Internet Archive」というサイトがある。 archive.org このInternet Archiveを運営しているのは米…
2021年にAlice Coltrane(1937-2007) の『Turiya Sings』について書いたが、それ以前の2017年にこんなアルバムがリリースされていたのは知らなかった。タイトルもストレートに『The Ecstatic Music of Alice Coltrane』というもので、今年、ボーナストラッ…
長い間、中古レコードを買ってきて感じるのは、年々コンディションのばらつきが大きくなっていること。発売から40年、50年以上の時間を経ているので当然のことではあるけれど。特にこの10年は、DJ用途が広がったせいで、そのラフな扱いや重針圧で再生された…
「21世紀のレコード収集術とその哲学 」という大仰なサブタイトルもついているこの本の著者、マックス・プレジンスキーは、自らディーラーであり、ebayやdiscogs といったオンラインでも手広くレコード販売ビジネスを広げ、Carolina Soul Recordsを運営して…
年末までに書こうと思っていたが間に合わず。2022年は新譜、旧譜ともにレコードの購入ペースが落ちている。前年の半分以下かもしれない。自分の中での限界のようなものもあって、その話は以前書いた。もちろん買ったレコードはどれもこれも好きだし、何度も…
また少しレコードを買いはじめて、その一つが少し前から欲しかったフリージャズギタリストのMary Halvorsonの(アナログでは)2枚組のアルバム『Amaryllis & Belladonna』をようやく手に入れた。新譜のアナログ盤でも買い時を逃すと、次のチャンスはなかなか…
最近レコードをあまり買っていなくて、仕事をしながらストリーミングで聴いていた中で気になったものを少し紹介。 Carl Stone / We Jazz Reworks Vol.2 Carl Stoneとは90年代初めにCD-ROMソフトのプロジェクトで関わったことがあり、その後も数回日本でのコ…
これまでもSHURE M44GやM75EB Type2をシルバーハートの黒檀やローズウッドの材質でウッドケース化を行なってサウンドの変化を楽しんできたが、いよいよV15 Type3のウッドケース化をやってみた。今回はその話を。 カートリッジとウッドケースの関係 カートリ…
スティーブ・レイシー(Steve Lacy 1934 - 2004)は、ソプラノサックスの可能性を追求し続けたジャズ・ミュージシャン。生前は残念なことに、日本のジャズジャーナリズムでは、インプロバイザーとしての側面ばかりが強調され過ぎたところがある。まあ、時代…
これまで何度か書いたことのある学芸大学にある街の中古レコード屋さんの「サテライト」。去年は2か月に1度くらいは行っていたが、仕事が忙しかったりいろいろあって今年になってから初めての訪問となったが、お店はいつも通りの雰囲気。あまり変わっていな…
オーディオ雑誌の『STEREO』の特集が「ECMとオーディオ」だったので久しぶりに購入してみた。ECMレーベルとしての最初のリリースが1969年。それから50年を経てもオーナーのマンフレート・アイヒャーはずっと君臨し、レーベルのサウンドトーンも一貫している…
去年も2020年によく聴いたアルバムの記事を書こうとしたのだけど時間切れでボツにしてしまったので、今年こそ2021年版を書いてみる。間に合うかな? 今年もアナログレコードを中心に新譜も中古も100枚近く買ったのではないかと思う。昔と買い方が変わってき…
山本音響工芸のツゲ材ヘッドシェルに取り付けて聴いていたShure V15 Type IV、どうもJICO製の楕円針が寿命なのか、最近音の伸びいまひとつ。Type IV用にJICOのSAS針を注文しようかとも考えたが、それも当たり前過ぎるしな....と考えて時間が過ぎていたところ…
Apple Musicがロスレス配信になってから仕事中によく鳴らしている。仕事をしながらなのでそんなに真剣に聴いているわけではないが、それでもその音にはっとするような瞬間がある。最近リリースされたものばかりではないが、そんな中からいくつかを。 Arushi …
普段はあまりYouTubeを見ないのだけど、偶然この「arte concert」 というライブシリーズを見て、どれも刺激的で啓発されるものがあった。調べてみると、arte.tv というEUのファンディングを受けている組織の文化事業のようで、アートやフィルムの他、オペラ…
僕は特定の宗教に何も属さない、欧米人の価値観からすると無神論者。そのくせ宗教に関わる音楽、祈りのための音楽には強く惹かれたりする。それはグレゴリオス聖歌であったりロシア正教会の音楽だったり、バッハやシャルパンティエ、デュファイといった古典…
ストリーミングの時代にアナログレコードが何度目かのブームを迎えている。レコードは大きさからしても、ジャケットアートと音楽を収めた円盤がセットになったアートパッケージとして新しい位置を与えられているのかもしれない。ジャケットを飾るためのさま…
少し前に紹介したニューヨークのグループ、75 DOLLAR BILLのライブ盤『LITTLE BIG BAND LIVE AT TUBBY’S 』のアナログ2枚組が届いた。アナログで聴くとデジタルファイルとは随分印象が違って演奏が生々しい。 このユニットの紹介は前回の記事を参照していた…
「ひび割れた懐かしさの彼方に 」というタイトルを思いついて、それがまるで間章(あいだ・あきら)みたいだと自分でおかしくなる。間章の文章を初めて読んだのはブリジット・フォンテーヌの『ラジオのように』のライナーノーツだった。まるで私小説のような…
僕が初めて動くマイルスデイビスを見たのは1973年にNHKの「世界の音楽」という番組で来日公演の放送を見たことだった。その時の映像は今でもYouTubeで見ることができる。 演奏が始まってからステージの緞帳が上がる演出は今では考えられない。マイルスは異様…