Thinking is The Form

本多重夫の音楽、オーディオ、アートなどについてのプライベートブログ

Records

Tony Williams / Turn It Over -ひっくり返してしまえ! 迷いのないドラムが教えてくれること

Tony Williams(トニー・ウィリアムス)は、13歳でジャズドラマーとしてデビューし、1960年代前半には17歳でマイルス・デイビスのレコーディングに参加するという早熟ぶりを発揮する。その若く、勢いがあり、ピュアでパワフルなドラミングが当時の多くのジャ…

Luxman E-250のアーティキュレイター機能でカートリッジをリフレッシュ

先日記事にしたようにV15 type IIIが良くなったに比べて、同じ SHUREのM75EB Type2のカートリッジのサウンドが今一つ。レンジが狭く覇気がない感じの音で、以前のような鳴りの良さが後退してしまっている。中古で購入したビンテージものなので経年変化なのか…

SHURE V15 Type3 の交換針を変えて音質の違いを楽しむ

以前、「SHURE M75ED カートリッジ - 針交換で音質を変えて楽しむ」という記事を書いたが、SHURE V15 Type3カートリッジを山本音響工芸のカーボンシェルに取り付けてから、がぜん好みのサウンドになってきたので、V15 Type3でも交換針の種類を変えてサウンド…

The Band / Music from Big Pink - 救いのない世界へ向けた絶望的な絶叫

実は僕はごく最近になるまで「名作」と呼ばれるアルバムを聴くことをずっと避けていた。その理由はその「名作」に過去、あまりに多くのおひれが付いてしまっているから。 1960年代から80年代の日本のロックジャーナリズムは、英語のハンディ(アーティストと…

Harbie Mann / Stone Flute - アンビエント ジャズとしての先駆的作品

ハービー・マンは米国出身のジャズフルート奏者で、1960年代から70年代にかけてフュージョンの先駆けというか、ブラジル音楽などのワールドミュージックをマシュアップしてジャズに取り込み、ジャズからポップミュージック、ダンスミュージックの領域で成功…

中古レコードの落書きの面白さ - レコードの物語の一部になること

中古レコードを購入するときに新品同様というのはそれなりに良いけれど、僕は中身がちゃんと聴ければそれでいい派なので、ちょっとジャケットが傷んでいたり、書込みがあっても価格が手頃なら気にしない。むしろ、前オーナーの人柄が伝わってくるようで、面…

Scott Walker / 4 - 不安な時代に共鳴するスコット・ウオーカーの歌声

最近買ったレコード6枚目の話。7月に以前から気になっていた60年代のポップシンガー、スコット・ウォーカーのアルバムを中古4枚まとめてジャンク扱いの4枚2,000円の廉価で販売しているサイトがあったので思わず購入。 僕がスコット・ウォーカーを意識するよ…

Andante Largoの『Weefolk Board』オーディオボードを試聴 - 重いことがいいことではないことを実感

もう30年以上使っているMicro BL-77のターンテーブルを他のものに変える気は全くないのだが、もう少しグレードをあげる方法はないかとオーディオ雑誌を読んでいたら、ターンテーブルの下に専用のオーディオボードを置く比較レビューが載っていた。 その記事…

Rolling Stones / Their Satanic Majesties Request - ローリング・ストーンズの「幼年期の終わり」

最近買ったレコード5枚目の話。このローリング・ストーンズが1967年12月にリリースした『Their Satanic Majesties Request』は、彼らのベストのアルバムではないが、Summer Of Loveの1967年の最後に相応しいアルバムといえるだろう。 同年6月にはビートルズ…

UFO / UFO 1 - 怖いもの知らずのアングラ スペースロック

最近買ったレコード4枚目の話。口だけの人面岩が宇宙空間を漂っているという趣のちょっとイケテいないこのジャケットは、英国ハードロックバンド「UFO」が1970年にリリースしたファーストアルバム。 「UFO」は数年後に当時19歳のドイツ出身ギタリストのマイ…

Gil Evans / Into The Hot - インテリジェントで機知に富むジャズオーケストラサウンド

最近買ったレコード3枚目の話。僕はジャンルを問わず音楽を聴くが、それは趣味の幅が広いのではなく、「自分が関心を持てる音楽」をいろんなジャンルから探索しているだけであって、一つのジャンルを掘り下げているわけではない。なのでジャズのアルバムが20…

Mott The Hoople / All The Young Dudes - 困窮したバンドからの復活劇、冴えるボウイのビジネスセンス

最近買った中古レコードの2枚目の話。 David Bowieでいつも感心することは、音楽的に先鋭的で優れていながら、同時に「売れるもの」を必ず作れるビジネスセンスを備えていること。この両立をバランスよくできるアーティストは少ない。 そうした彼のビジネス…

David Bowie / Pinups - 新たな自分を探す旅の入り口

中古レコード店での買い物は、本当に探していたレコードがあって買えそうな価格の範囲であれば嬉しいが、それだけではなくて、昔から何となく気になっていたレコードとか、以前は持っていたが手放してしまったことを後悔しているようなものが、手頃な価格で…

# Brian Eno / APOLLO - 無音だった月面着陸のサウンドトラック

今年はアポロ計画の月面着陸から50周年。あの日から半世紀が過ぎたことになる。当時僕は小学校5年生でアポロ11号の発射から毎日のようにテレビを見ていた。というか、田舎だったからかテレビはそれしかやっていないほどで、月から米国を経由して送られてくる…

ブートレグ (Bootleg) が貴重だった時代 -ロックが巨大なビジネスになっていく時代のあだ花

ブートレグとは 洋楽ロックの世界で1990年代頃まで残っていた「ブートレグ (Bootleg) 」 という言葉はYouTube時代の今ではほとんど死語だろう。昔は「ブートレグ = 海賊盤」と日本では言われていたが、海賊盤といっても一般に販売されているレコードやCDの不…

Destroy All Monsters - Stooges残党の猥雑なロックンロール

ロック(ロックンロール)は、本来、品行方正な人のものでない。安全な娯楽でもなく、猥雑なもの。いつからか音楽ビジネスとして洗練され過ぎてしまい安全な娯楽になってしまったが、Rolling Stonesだって、最初の頃は「あいつらが来たら街を消毒しろ、娘は…

NO NEW YORK - 混沌が魅力であった時代

この「NO NEW YORK」というオムニバスアルバムは、1978年当時のニューヨークのアンダーグラウンドシーンのバンドの独自の音楽を切り取ったアルバムとして、今でも価値あるものとされている。 プロデュースを務め、アルバムカバーにも関わったのはブライアン…

いろんなジャンルの中古レコードを購入 - レコードを聴いていると考えさせられることも多い

学芸大にある中古レコード店「サテライト」。歩いて片道30分ほどなので月に1回程度散歩を兼ねて訪ねている。そのくらいのペースがちょうどいいのか、毎回色々と購入してしてしまう。お店のサイズ感も僕にもあっているのかもしれない。今回はいろんなジャンル…

Miles Davis / AT FILLMORE - 境界線に挑戦し続けたマイルス・デイビス

Miles Davis(マイルス・デイビス)ほど、そのキャリアの中でスタイルを変遷させたミュージシャンはいないだろう。50年から60年代はじめにかけては、ハードバップ、ギル・エバンスのオーケストレーションとの融合、Kind Of Blueでの大成功など、所謂正統派で…

Art Ensemble of Chicago / People in Sorrow - 静かな怒りを秘めた音楽

シカゴを拠点とする Art Ensemble of Chicago(アート アンサンブル オブ シカゴ) は、1960年代にロスコー・ミッチェル、レスター・ボウイなどを中心に結成されたフリージャズグループ。ただ、このアート アンサンブル オブ シカゴを他のフリージャズユニッ…

Jefferson Airplane / Surrealistic Pillow - 米国初期レコード盤とリマスターCDを聴き比べ

サンフランシスコ ロックを象徴するJefferson Airplane のセカンドアルバム 「Surrealistic Pillow(シュールな枕)」は、カリフォルニアのヒッピームーブメントのピークとなる 「Summer Of Love」の年、1967年2月にリリースされた。また1967年は、Beatles …

パブロ カザルス / バッハ無伴奏チェロ組曲 - 80年前と変わらぬ今

ほぼ毎日、レコードラックからレコードを何枚か出してバキュームクリーナーでクリーニングして聴いてみることを繰り返している。2000枚近い枚数があるので、ようやく半分を超えたところ。10年ぶり、20年ぶりに聴いてみるレコードも少なくない。久しぶり聴く…

中古レコードにいくらまで払えるか? - その価格は音楽の価値なのか?

僕にとって中古レコードを買うことは日常の一部。今でも毎月何枚か実際のお店やインターネットで買っている。よくいつまでも欲しいレコードがあるものだと自分でも不思議に思うほど。 僕が中古レコードを買うようになったは70年代の終わりに東京に来てから。…

Luxman E-250 - 美音のフォノイコライザー

スピーカーをLS-1000に変えてから、合研ラボのフォのイコライザーだと、低域の量感にちょっと物足りないところが出てきた。全体としてはいいフォノイコライザーで中高域はキレイでいいのだが、低い方の力感が足りない。それで他の候補を探してみることに。 …

John Coltrane / Live at the Village Vanguard Again! - 巡礼の音楽

最近、中古レコードで購入したファラオ サンダース加入時代のコルトレーンの 「Village Vanguard Live Again!」を聴いている。ピアノはアリス コルトレーン。同じ1966年には「Ascension 」をリリースし。フリージャズに果敢に取り組んでいた時代の音楽。この…

東芝音楽工業の赤盤 - 「赤盤は音がいい」というのは都市伝説なのか

東芝から独立した東芝音楽工業は60年代から70年代始めにかけて赤い色のレコード「赤盤」を出していた。クラッシック、ジャズ、ロック、歌謡曲などのジャンルを問わずLPもシングルも赤いレコードでリリースされていた。僕がレコードを自分で買い始めた1972年…

Joy Division / Still - 美しい影を背負った音楽

十数年ぶりに、Joy Divisionのアルバム「Still」をターンテーブルにのせた。Joy Divisionというグループは70年代終わりのパンクムーブメントの中で数年しか活動しなかったが、当時23歳だったリーダーのイアン・カーティスの自殺がこのグループに、忘られぬ刻…

ちょっと懐かしいS字アームには、それでしか聴けないサウンドがある

最近のオーディオ用ターンテーブルは、DJ用を除けばストレートアームが主流。S字アームはほとんど見なくなった。70年代からあるような歴史の長い製品をのぞけば、単体のトーンアームもストレートかJ字タイプがほとんど。 その理由はいくつかありそう。ストレ…

キース・ジャレット / ケルンコンサート - 寒い1月の音楽

新年早々、何を聴こうかとターンテーブルにのせたのが、このキース・ジャレットの「ケルンコンサート」の2枚組のアルバム。冷えた部屋の空気が透明感のあるピアノ音で満たされる。 ふとジャケットを見えると、このアルバムのレコーディングは1975年1月24日。…

クリーンメイト ARMMATE IQ1100A - アナログレコードはバキューム式クリーニングマシンで洗浄すると、そのポテンシャルを100%発揮してくれる

2018年の最も良かった買い物はこのクリーンメイトのバキューム式のレコードクリーニングマシン。2番目に良かった買い物が ビンテージの Marantz Model 3250プリアンプ とそのペアになるパワーアンプで、この2つを手に入れたことでレコードを聴く楽しみが完全…