Sound & Silence

本多重夫の音楽、オーディオ、アートなどについてのプライベートブログ

ウッドケース化したV15 Type3のその後 - ストレートアームでの鮮度の高い音

毎日厳しい暑さが続くので軽い話題。昨年秋にウッドケース化したSHURE V15 Type3、オリジナルよりも深度がある音楽を聴かせてくれていたが、M44G用のNAGAOKAの針が登場してから鳴りっぷりの良さでそっちばかりに。ただ、やはり音楽の細部までの緻密な表現ではType3のカートリッジがまさる。

これまでは黒檀やツゲ材のシェルに取り付けてS字アームで聴いていたが、気分を変えてストレートアームへの付け替えを思案。実は以前もトライしたが、ウッドケースは上部からのねじ止めなので、カートリッジの下部からビスを通して指かけでねじ止めする構造のAudioCraftのストレートアームパイプだそのままでは取り付けできなかった。なので、今回はウッドケースはストレートアームの上側からねじ止めして、指かけは両面テープで貼り付けることに。

それでレコードを聴いてみると、一聴して音の鮮度が高く、細部まで見通しも良い。これはやはり、ヘッドシェルとアームの余分な接点がなくなる影響が大きいのだろう。今時のハイエンドターンテーブルも、ストレートアームにケーブル直出しでアームの交換は不可という設計になっているのは、カートリッジからの微小信号を劣化なく取り出すことを目的としているのだろう。愛するただ一つのカートリッジと過ごしてください、ということ。そればかりは色々変えて聴きたい僕には無理なのでこの方式。

何を聴いても、ストレートアームだと再生音が上品な気がする。低音は曖昧さや澱むところはなくしっかりと伸びているし、中音域から高音域もスッと直線的にきれいに伸びていて、強調感やクセのあるとことがない。といってもエネルギー感がなかったり、音が薄くなるわけではない。ウッドケース化した効果は充分に感じられる。ただ、猥雑さや怪しさのようなものは薄められて聴きやすくなっていく傾向がある。そういった部分を含めて、これがV15 Type3の持ち味なのかもしれない。

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