2020-01-01から1年間の記事一覧
オーロラサウンドは、ハイエンドの管球式セパレートアンプやルンダール製の高音質トランスなどの高品質パーツを使用したLCR型のフォノイコライザなど、国内外で評価の高いオーディオ製品を作り出している独立系ベンダー。代表の唐木氏はグローバルなビジネス…
本書の原題は『A Brief History of New Music(新音楽小史)』というもので、この原題のほうが本書の性格をよく現している。シュトックハウゼン、ブーレーズ、クセナキスといった戦後の現代音楽の大家からスティーブ・ライヒ、テリー・ライリーといったミニ…
もう長い間、 John Cage(ジョン・ケージ)の『プリペアドピアノのためのソナタとインターリュード』という作品は、僕の愛聴盤で、疲れた夜更けに聴くと心が安らぐ。静かで、聴き手の感情に絡むような人懐っこいメロディはなく、非西欧的な響きで、断片的な…
使い始めてから30年以上になるMicro製のアナログプレーヤー BL-77とトーンアームのAudio Craft AC-300MC。最初に購入したときからほとんど変わらず、アルミのターンテーブルの上に重量3kgの銅板ターンテーブルシートを敷いて、さらに純正の900gのスタビライ…
このJulianna Barwickを最初に知ったのもNPR.orgのアルバム紹介だった。2011年にリリースされた彼女のファーストアルバム『The Magic Place』。そのアムバムは深いリバーブの中で単純なメロディを素朴に歌う声が執拗なほどに多重処理されることで、声がエー…
今振り返ると、Patti Smith(パティ・スミス)とはいったい何者だったのだろう? 何年か前にボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞したときに授賞式だったかで、緊張した面持ちでディランの曲を歌う彼女の姿は僕が昔聴いていたパティ・スミスとは全く別人の…
SHURE V15 Type3(III)は1973年から1978年にかけて製造され70年代に黄金期を築いたフォノカートリッジで今でもファンが多い。僕も数年前に手に入れて愛用している。SHUREのカートリッジで必ずあるのが初期型信仰。M44Gだとカモメマークが印刷されている米国…
去年の春に購入したLuxmanのE-250フォノイコライザ、基本的に美音で低域の伸びも良いのだが、もう少しメリハリというか躍動感が欲しいところもあり、どう調整するかを考えて試しに電源ケーブルを変えてみることにした。もしフォノイコライザで効果がなくても…
僕が Zola Jesusの存在を知ったのは10年ほど前 、NPR.orgでの新譜紹介でだった。「Conatus」というアルバムで、音楽的にはエレクトロニックで神秘的なところがあり、最初の印象はSiouxsie and the Bansheeds の Siuoxsie Siouxそっくりの歌声で曲調も似たよ…
オーディオシステムのチェック用レコードはいろいろあるが、僕が長年使っているのがこの『Cardas Frequency sweep and burn-in record』。内容は、1KHz音や20Hzから30KHzまでの連続スイープ音など周波数を変えての信号音や正相、逆相のチェック信号が詰まっ…
Silver Applesは「テクノミュージックのゴッドファーザー」的に語られることが多いが、僕は同感できない。それは表面的なこじつけに過ぎなくて、Silver Applesの本質的な革新性や芸術性を矮小化してしまう危険があるように思う。Miles Davisの『Bitche's Bre…
所有しているSHUREのカートリッジは全部、山本音響工業のカーボンや黒檀、つげ材のヘッドシェルに同社の太いリード線をセットにして使っている。このヘッドシェルには別売でチタン製の指かけというのがあって、指かけ位で本当に音が変わるのか、多いに疑問も…
今使っているスピーカーケーブルは、英国 CHORD Companyの『Carnival Silver Screen』という大仰な名称のケーブル。2008年から2012年頃に切り売りで販売されていた高級ケーブルだったらしい。CHORD社のケーブルに興味があって数年前に中古で購入して使ってみ…
アナログレコードを聴くときにやっかいなのは、パチパチという静電気。ホコリを吸い寄せるし、再生する音にも影響が出そう。持っているレコードはバキューム式のレコードクリーナーで洗浄すると静電気はある程度落ち着くし、洗浄後は静電気が発生しにくいよ…
Folke Rabe(フォルケ・ラーベ)の『Wass??』と書くと、「ああ。あれね」と思う人も少なくないかも。一種カルト的な存在の作品。おそらく現代音楽の中でよりも、先鋭的なロックファンによく知られているかもしれない。 1935年の生まれのストックホルムの作曲…
『Record Store Day(レコードストアディ)』というのは、元々は2007年4月に米国の地方都市のレコードストアコミュニティで始まったイベントでショップでアーティストやファンが交流するものだったが、翌2008年からはレコードストアディのための特別なアルバ…
少し前にSHUREのカートリッジM44Gを木製ハウジングにする記事を書いたが、それ以降、そのウッドハウジングのM44Gがターンテーブルの主役の座を占める時間が長くなってきた。時間を経て鳴らし込みが進んだのか、さらにディープな音を聴かせてくれている。 や…
「ヘヴィメタル」というジャンルは難しい。アイドルグループやアニメのサントラのような曲ばかりやるグループから冷徹な極北のブラックメタルまで一つのジャンルで語るには余りにも範囲が広過ぎる。それなのに「ヘヴィメタル」と一括りで扱われる不幸がこの…
その存在や内容、評価は知っていても実際に聴いたことのないアルバムというのが何枚もある。興味が持てなかったり、そのアルバムやアーティストに対してバイアスを持っていたり、その理由はさまざま。このデビッド・クロスビーのファーストソロアルバムもそ…
少し前に「Optimize settings of Audirvana」というAudirvanaを高音質化ツールを紹介したが、同じところから「Audirvana HQ」というツールも提供されていて、これが非常に良かったので今回はこれを紹介したい。 サイトを見る限り、開発者の方はほぼ匿名の状…
著者のオリヴァー・サックス(1933-2015)は英国出身の脳神経科医で研究者。自分の患者の様々な症例から脳についての話を論文調ではなく、一般にも分かりやすく紹介し、理解を深めるような啓蒙書を多数執筆している。中でも映画の題材にもなった重いパーキン…
SHURE M44Gカートリッジは今更説明が不要だろう。近年はDJプレイ用として人気だったが、本来は1960年代に手頃なステレオ向けハイファイカートリッジとして発売されたもので、製造は終了したが登場から50年以上経った今でもそのエネルギー感溢れるサウンドは…
ロックという音楽の特徴に「演奏能力がないこと」「誤解されること」があるとずっと思っている。ロックというのは音楽家、演奏家としての専門的なトレーニングを受けていない(中にはそういう人もいるが)、アマチュアリズムがベースあり、そこに未分化で訴…
僕はこの小川洋子という作家のことをほとんど知らない。以前、芥川賞を受賞した作品があるらしい。それでもこの1994年に出版された「密やかな結晶」に興味をもったきっかけは、今年海外で出版された本書の英訳版が好評で、ヨーロッパで映画化の話が出ている…
僕が初めて動くマイルスデイビスを見たのは1973年にNHKの「世界の音楽」という番組で来日公演の放送を見たことだった。その時の映像は今でもYouTubeで見ることができる。 演奏が始まってからステージの緞帳が上がる演出は今では考えられない。マイルスは異様…
最近、ケーブル用制振アダプタというオーディオアクセサリが流行っている。電源ケーブルだったり、信号ケーブルだったり、アンプやプレーヤーの後ろから垂れ下がっているケーブルをしっかり支えてあげることで音質を改善するグッズ。 確かに、音質改善を目的…
今年2月に購入した中古のSHURE V15 TypeV - MR。少し歪っぽいというか、ちょっと音質が埃っぽいところがあって、今ひとつな感じがするので、思い切ってJICO社のSAS針を新たに購入してみることにした。 今回選択したのはSAS針としてはオーソドックスなボロン…
実はこの「Audioengine B1」というBluetoothレシーバーは、数年前に米国 Amazon.comで個人輸入してからずっと使っている。最近、日本でも販売代理店ができたようで入手が容易になったので紹介したい。 Audioengine B1を選んだ理由 当時、iPhoneやiPadからApp…
このエントリーを書こうとしばらく前に思ったら創設メンバーのラルフ・フッター(Ralf Hütter)が亡くなり、追悼記事がたくさん出て、それに便乗するような印象となるのも嫌だったのでちょっと時間を置いていた。 そもそもKraftwerkは、ラルフ・フッターとフ…
『CDも良い音で聴きたい!』はCDプレーヤーとCDメディアの対策の話で終えるつもりだったが、ふと思い立ってCDトランスポートとDAコンバータを接続しているケーブルをバランス接続に変えたら大きく改善したのでその話を。 アンバランス接続とバランス接続 CD…