少し前に「Optimize settings of Audirvana」というAudirvanaを高音質化ツールを紹介したが、同じところから「Audirvana HQ」というツールも提供されていて、これが非常に良かったので今回はこれを紹介したい。
サイトを見る限り、開発者の方はほぼ匿名の状態を希望されているようで、いずれのツールも「あるがまま」の状態で無保証でダウンロード提供されているので、利用する場合はそのつもりで自分の判断と責任で導入すること。正直、僕もこの使い方が正しいのかどうか自信はない。ただこれらのツールを使うことで明らかに音質の違いがある。分かる範囲で整理してみると次のようになる。
Optimize settings of Audirvana
- 名称の通りAudirvanaの設定を最適化して「Audirvana Slim」という別のアプリケーションとして保存
- 次回以降は「Audirvana Slim」を起動して使用
Audirvana HQ
- Audirvana HQは、Audirvanaの設定を変更して起動するすためのツール
- 動作を見ていると「IOAudioFamily Extension」を有効化しているので、おそらくDirect Modeを有効化して起動していると思われる
- Optimize settings of Audirvanaの処理はこのAudirvana HQに含まれているのでOptimize settings of Audirvanaは不要
- 設定を変更して起動するすため起動に若干(数秒程度)時間がかかる
Audirvana HQの使用方法
Audirvana + Audirvana HQは、起動時にコンソールでの作業が必要なこと、Audirvanaへのリソース割り当てを優先する必要があることなど、仕事などで使用しているMacで共用することは根本的に推奨しない。 旧モデルでもよいのでDAC経由でオーディオシステムに繋いでCDのリッピングデータなどを再生するためのAudirvana専用のMacを別に用意したい。僕は、現在次の環境で使用している。
- Macmini (Late 2012)
- macOS 10.15.6 (英語版で使用)
- Audirvana 3.5.38
- Audirvana HQ 3.7.2
1)配布サイトからAudirvana HQをダウンロード
「Audirvanaの音質改善スクリプト」のサイトから「Audirvana HQ」の最新版をダウンロードする。ダウンロードしたファイルは「ダウンロード」フォルダに格納されるが、そこから移動しないこと。もし移動した場合は後記するターミナルでの処理でそのパスを自分で変更する必要がある。
2)初回のAudirvanaの選択、プライバシー設定、起動
作業を始める前にターミナルを起動して次のコマンドを実行。パスワードは自分のMacへのログインパスワード。このターミナルでのコマンド実行は、この後、Audirvana HQ経由でAudirvanaを起動する度に必要になる。
(以下を1行で入力) sudo xattr -r -d com.apple.quarantine "/Users/${USER}/Downloads/Audirvana HQ/Audirvana HQ.app"
ダウンロードしたフォルダにある「Audirvana HQ」の音符のアイコンをクリック。
ここでは初回なので「選択する」を選ぶ。アプリケーションフォルダから「Audirvana」を選択。再度パスワードが必要になるので入力。
アクセス許可の設定が必要なのでシステム環境設定を開けて「プライバシー」タブを開く。「Audirvana HQ」にチェックマークをつける。
Audirvanaが起動すると、ドックに音符マークが付いたAudirnavaとして起動してくる。
3)2回目以降の起動
前記 2)と同じように、ターミナルでコマンドを実行し、「Audirvana HQ」アイコンをクリックする。もう選択してあるので「起動する」をクリックして Audirvana を起動する。
面倒なようだが、オーディオの電源と同じで一度 Audirvana を起動したら終了しないので、そのためにもAudirvana専用のMacとしたいところだ。
音楽の実態感のある再生音
それで肝心の再生音だが、ノーマルの状態と比べて背景がクリアになり音像がシャープになる印象。ノイズフロアが下がったせいか音の残響の消え方がナチュラル。それに中低域の厚みが増してくる。ファイル再生で不満に感じる神経質な感じが大幅に改善される。
「Optimize settings of Audirvana」で生成されるAudirvana Slimと比較しても、より実態感のある厚みを感じさせるサウンドになっていて、僕の好みの方向にある。これならCDをまたリッピングしてライブラリを増やしてもいい気がしてくる。
参考サイト: