最近、ケーブル用制振アダプタというオーディオアクセサリが流行っている。電源ケーブルだったり、信号ケーブルだったり、アンプやプレーヤーの後ろから垂れ下がっているケーブルをしっかり支えてあげることで音質を改善するグッズ。
確かに、音質改善を目的とした電源ケーブルやRCAケーブルはコネクタやブラグ部を強化しているため大型化しており重量もあるので、そのままだとブラんと重みで垂れ下がってしまう。それを支えて安定させるのは効果がありそうだ。
そう言えば、仕事でセットアップするデータセンター向けの1U/2Uのサーバーなどの電源プラグのところは、誤ってプラグが外れないように固定ワイヤーが必ず付いていた。オーディオ製品でも同じようにすれば解決する気もする(ただ、付属品以外の電源ケーブルだと形状が合わなくなるから付属してないのだろうが)。
電源ケーブル用アダプタのモックアップを作る
専用のケーブル用制振アダプタの問題は価格が高いということ。もちろん意味なく高価格なわけではなく、フルテックの製品を見るとわかるが、工作精度やパーツの加工作業、静電防止の特殊素材などを考えれば当然の価格。しかし、1台20,000円ほどするので、ちょっと使ってみようには敷居が高い。
フルテック コネクタ/ケーブル用制振アダプターFURUTECH NCF Booster-Signal
- メディア: エレクトロニクス
そこで、まずは『電源ケーブルに支えをつけると本当に音質は改善するのか?』を実験するためのモックアップを自作してみることにした。
緊急事態宣言が解除されてようやく再開した東急ハンズで材料を集める。費用は2,000円ほど。
- ゴムの防振シート 厚さ8mm程度
- 50mm x 50mm x10mm 程度の木片 - さくら材を選択
- ウレタンシート 厚さ3mm程度
- 両面テープ
防振シートはさくら材と同じサイズにカットして、置き場所に応じて下から順番に防振シート/さくら材木片/ウレタンシートを積み上げて高さを調整したら、それぞれを両面テープで固定して、電源ケーブルなどの下に入れる。実際の高さによって、木片の枚数やゴムやフェルトの厚さを現物合わせで調整していく。
写真上はフォノイコライザの電源部分。左が何もない状態。ACケーブルのブラグが重みで尻下がりになっている。右はケーブルに支えをいれた状態。ウレタンにプラグが乗る状態でケーブルが自重で下がらない(フォノイコライザのACブラグは高さ5cm以上あるので50mm x 50mm x50mmのさくら材を使っている。)
CDトランスポートの電源部分(タイトル画像)、DACの電源部分やケーブルの下にも自作アダプタを置いていく。これで電源プラグはしっかりと機器に固定される。
音質は向上するのか?
それで本当に音質は向上するのか? 一聴して確かに良い方向に変わっている。中低音に力感が加わり、サウンドステージもやや広くなったように感じる。やっぱりプラグを固定するのは効果がある。 この変化は前にも経験したことがある気がして思い出したのは、壁のコンセントをオーディオグレードのものに交換したときこと。まあ、電源ケーブル周りの対策だから当たり前か。それに時間を経過するほど、効果が出てくるようだ。外すと物足りない感じになる。
こうやって簡単に試してみて効果があることは分かったし、フルテックの制振スタンドの評価が高いのも納得できる。しかし、1台約20,000円ということは、4箇所置くと80,000円。う〜ん.........。しばらくはこの手作りアダプタで様子をみようかな....。