Sound & Silence

本多重夫の音楽、オーディオ、アートなどについてのプライベートブログ

Apple Music を何で聴くか - 音の良いiPadはどれ? 

実はこの記事は5月末頃に書いていて、その後状況が変わったのでボツにしていたが、誰かの参考にはなるかもしれないので公開することに。 ことの発端は、5月末にあったiOS/iPadOSのアップデートでライトニングポートのUSBアダプタが電源供給をしなくなってしまったこと。数週間後にリリースされたアップデートで問題は解消したが、その間の話。

iPad OSのアップデートで外部DACが使えなくなる

いつもApple Musicを第2世代のiPadProとUSBカメラアダプタの組み合わせで Apple Musicなどのストリーミングを再生していたが、iPad OS 16.5のアップデートを行ったら、Lightning - USBカメラアダプタ経由での充電が機能せず、DACに接続できない状態となってしまった。

最初はアダプタの故障かと思ったが、調べると原因はiPad OS 16.5のアップデートにあり、インターネット上でも数多くの指摘がある。ただ、アップデートリリースから1週間を経ても修正バージョンのリリースはなく、(自社のものであっても)古い規格に冷いのはAppleならではかも(2023/08/09追記:その後のアップデータで電源供給の問題は解消)。

iPadで音は変わるのか?

でも、AppleMusicが聴けいないのも困るので、仕事のサブ機だった第3世代iPadProにUSB-C - USBカメラアダプタを取り付けて設置した。同じATOLLのDAC200経由でAppleMusicを再生すると、随分とシャープでレンジの広い鳴りっぷり。第2世代のiPadProとはずいぶん違う。2017年にリリースされた第2世代は、A10X Fusionチップ。2018年にリリースされた第3世代はA12X Bionicチップ、という処理能力とWiFiのパフォーマンスの差が出ているのだろうか?

印象としては、第2世代のiPadProはこぢんまりとそつなくまとめる方向と異なり、第3世代は細部がシャープで前のめりな再生となる。これは好みの方向なのだが、iPadで音質が違うのか気になったので少し試してみた。

iPad 第10世代:2022年リリースでA14 Bionicチップ搭載。音像はさらにシャープで、ステレオイメージの広がりも大きい。曲によっては、やや粗い感じもするがエレクトロ系やロック系は特に良い。音の余韻は雰囲気があり低音の力感もある。iPadとしては価格も手頃だし、ストリーミング専用とするならこのモデルかもしれない。

iPadPro 第6世代:これも2022年リリースで、M2チップ搭載の最新版。高域はさらに鮮明でシャープ。音の鮮度を高く感じる。解像度も高く、この聴き比べでは一番ハイファイ調。やはりロスレス、ハイレゾのストリーミングでは処理能力の差が音質に影響しているのだろうか? しかし、このiPadProは仕事上でも使用しているので、AppleMusic専用にはできないな。

iPadPro 第3世代:もう一度 2017年リリースの第3世代に戻してみる。第6世代と比べるとシャープさや音の鮮度は後退するものの雰囲気は悪くない。良い解釈をすれば、聴き疲れしない音とも言えそう。仕事中は第3世代で聴いておき、集中して聴きたい時に、第6世代のiPadProか第10世代のiPadにスイッチするのが現実的な気がする。

USBケーブルはアコースティックリバイブ R-AU1PL1.0 で不動

DACと接続するUSBケーブルはアコースティックリバイブ製を2年を経た今でも愛用中で不動の存在。特性と音楽的なまとまりのバランスが良いケーブルで価格も手頃。iPadでも、PC、Macでも広く勧められる。

試聴に使用した音源

今回、比較に聴いたのはこんな音源。

Steve Hillage / Rainbow Dome Music :彼のキャリアの中でもエポックなアルバムの1枚。ティンシャと呼ばれるヒーリングベルの音が随所に現れる瞑想的な音楽で、アンビエントと言ってしまえばそうだが、その枠には収まらない大作。音楽の澄んだ透明感が聴きどころ。

Catarina Barbieri / Myuthafoo :イタリア出身でベルリン在住の女性エレクトロ アーティストの新作。過度に実験的になることなく、絶妙なバランス感覚で作品を生み出す。最近気に入ってる1枚。 モジュラーシンセサイザーは女性に合うのだろうか? こうしたエモーショナルな表現ができるのは、イタリア人の素質なんだろうか? 分離が良さが試聴ポイント。

The Flow / Greatest Hits :ニューヨークのマイナーハードロックバンドの再発もの。なんでも1972 年に自主制作で100枚のプレスのみのカルト盤らしい。時代的には少し遅れてやってきたハードサイケだけど、そのアングラ感覚は好きな者にはたまらないだろう。

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2023/08/09 追記:冒頭でも書いたように、ライトニングポートの問題はその後解消して、また第2世代のiPadProとUSBカメラアダプタの組み合わせでのストリーミング再生に戻っている。新しいiPadシリーズの組み合わせで音質が変わるのは面白かった。


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