Sound & Silence

音楽、オーディオ、アートなどについてのプライベートブログ

Ornette Coleman, Lou Reed, IF, Mal Waldron etc. - 中古のCDは買い時かもしれない

最近手に入れたMarantz CD-34が気に入ってしまいCDを聴くことがずっと増えた。それもあって、気になっていたタイトルをDiskUnionの通販で購入してみた。CDはレコードに比べると安い。最新のリマスタ再発でなく1世代前のリマスタ再発や旧盤だと500〜600円位からでも手に入る。紙ジャケ廃盤でも特殊ものを除けば2000円台なので、中古CDは買い時かもしれない。

Ornette Coleman / Friends & Neighbors (1970)

オーネット コールマン(1930-2015)はあの『FREE JAZZ』があるが、後年の力の抜けたフリーでファンキーなところのあるアルバムも好みだったりする。この『Friends & Neighbors』はニューヨークに構えたプライベートでオープンな自宅スタジオで録音されたもの。『Friends & Neighbors』のタイトル通り、1曲目はビートの効いたアッパーなナンバーで、近所の女性や子供たちが集まって歌っている。その自由で解放区的な空気が十分につまったアルバムで、フリージャズというよりも、都会的に洗練されたディクシーランドジャズのような陽気さ、リラックスさに溢れている。

Mal Waldron Trio / Free At Last (1969)

マル ウォルドロン(1925-2002)は最近よく買っている。音が「黒い」というか、1音だけでもヘヴィで存在感のある音を弾くピアニスト。彼はフリーの概念は、行き当たりばったりの即興に意味はなく、作曲されたものの一部としてあることに意義があるとしている。本作は彼のベストの一つではないかと思う。このアルバムがECMレーベルの1枚目のリリースだったというのが興味深い。当時のマンフレード アイヒャーの思う「同時代の音楽」ということだったのだろう。

Marion Brown Quintet / Offering(1992)

マリオン ブラウン(1931-2010)は1960年台にはESPレーベルでフリージャズ系のアルバムをリリースしたサックス奏者。ジョン コルトレーンの「Accession」のセッションにも参加しているが、彼自身の作品は完全なフリーというよりも、作曲に基づくパートも多く、詩的で抒情的な一面があって僕が好きなサックス奏者の一人。初期ECMでもアルバムをリリースしている。これは晩年に日本のビーナスレコードの企画でニューヨークで録音されたもの。以前のような刺激的な要素は影を潜めているが、乾いた抒情性、美性は、この人特有のもの。

Europe 22 / IF(1972)

IFは英国のジャズロックグループで、ダイナミックな演奏を聴かせる点ではコロシアムに近いかもしれない。2人のブローするサックス、自由奔放なギター、声量のあるボーカル、バンドが一体となった瞬発力のある演奏が魅力的だったが商業的には成功しなかった。やはりジャズのテイストのあるロックはメインストリームには受け入れられにくい。このCDはヨーロッパ各地でのライブを集めたもので、ちょっとアンダーグラウンドの香りがする、躍動するジャズロックを聴かせてくれる。

’Berlin’ Live at St. Ann’s Warehouse / Lou Reed(2006)

ルーリードの1973年のアルバム『Berlin』は個人的には大きな影響を受けたアルバム。彼はベルベット時代から 単独曲の『Berlin』、『Sad Song』の元になる楽曲を書いていて、それを発展させて破滅していく女の物語にまとめあげ、ボブ エズリンのプロデュースで完成させたのが1973年のアルバム『Berlin』。このライブは、オリジナルの発売から33年後に弦楽アンサンブル、コーラス隊を加えた全曲演奏での再演となる。ギターにアルバム制作時のスティーブハンターが招集されているのは嬉しい。

長年無視された存在だったこの作品がどういった意図で再演されたかはわからないが、当時ボブ エズリンが作り上げた悲劇的なドラマ性は後退して、意図的に粗削りな演奏のダイナミズムが全面に出ている。ライブでもこの作品の説得力は変わらない。ひょっとすると、ルーリードはボブ エズリンのシネマティックで繊細な表現が不満だったのかもしれない。このライブは映像でもリリースされている。

youtu.be

Die Kunst der Fuga / Keller Quartet (1998)

ヨハン セバスチャン バッハ(1685 - 1750)の未完の遺作となったのがこの「Die Kunst der Fuga(フーガの技法)」。タイトルの通り、様々なフーガのバリエーションにより構成されているが、楽器の指定がない謎の多い作品で見かけると必ず手にしてしまう作品のひとつでもある。通常はバッハの時代と同じようにパイプオルガンで演奏されたものが多いが、ソ連の女性ピアニストのタチアナ ニコラエフはピアノでこの作品を弾いている。近年は鍵盤楽器ではなく、弦楽三重奏、このCDのように弦楽四重奏として演奏されることも少なくない。

学校の音楽室で必ず聴かされる「トッカータとフーガニ短調」ような大見えを切ったような派手さはなく地味な作品だが、瞑想的で空間的なところがあり、18世紀の音楽という時代性をあまり感じさせない。このケラー弦楽四重奏団の演奏は、この作品が最初から弦楽四重奏曲であったかのような自然さがあり、フーガの線的な重なりが見事に描かれながら、EMCらしく冷たい情緒的な表現になっている。

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この通販で購入した後日、所用で横浜に出かけ時に関内のDiskUnionのお店でも何枚か買ってしまったが、それはまた別の機会に。

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