Sound & Silence

本多重夫の音楽、オーディオ、アートなどについてのプライベートブログ

FOSTEX PM0.3H パワードスピーカー - iPadProをワークデスクで使う

ちょっと訳あって、FOSTEX(フォステクス)のデスクトップ向けの小型パワードスピーカーを購入することになった少し長い話を。

iPadProで仕事をする

僕はAppleのiPadという製品が好きで、最初にリリースされたモデルからずっと世代を追って使っている。iPadは人とコンピューティングの関わり方を変革しようとしているプロダクトで、タブレットにはいろんなメーカーも参入したが、現在でも何機種もリリースしているのはAppleだけとなってしまったほど、それは難しい課題でもある。

最新のM2チップを搭載したiPadProは外部ディスプレイに接続でき、iPadOS17で改善されたStageMangerを使用すると、ほぼmacOSと同じような操作環境となる。しかもApple Pencilが使えるiPad Proのスクリーンと広い外部モニタの両方で作業できるようになる。

Macbook Pro16(2019)も持っているが、インタラクティブで小回りがきくiPadProは日常的なタスクやプロジェクトのアイデアやコンセプトをまとめていく試行錯誤や初期段階のプロトタイプの作成で使用し、Macbook Proは、iPadProではできない複雑な作業や最終的の納品物、アウトップトを制作するプロダクション環境として使い分けている。

接続性を拡張するためにドックを導入

iPadProもMacbooProも外部接続ポートはThunderbolt(USB-C互換)で、特にiPadProはポートが一つなので、5Kの外部モニタにつなぎかつ充電、有線ネットワークもとなると、充電に対応したドックが必要となる。調べてみる、充電、2.5G有線ネットワーク、USB、サウンド出力、内臓SSDドライブの全てに対応したSONNETTECHのECHO-20というThunderboltドックが最適だと分かったが、ネックは約5万円という価格。でも、中途半端なものを買っても仕方がないので秋葉館の通販で購入。届いてみると作りはとてもしっかりしており、価格がある程度するもの納得。

背面にはRCAコネクタが付いていて、macOSでは出力先の一つとして選択できるのだが、iPadOSだと、iPadPro本体のスピーカーは無効となり、ドックのRCAコネクタからしかサウンドが出せなくなってしまう。Bluetoothヘッドフォンで聴く方法もあるが、それだけでは不便なのでデスクトップに置けるパワードスピーカーを探すことになった(ようやくこれから今回の本題)。

設置スペース優先で選択したFOSTEX PM0.3H

ある程度の品質と手頃な価格となるとパワードスピーカーの選択肢は意外と少ない。FOSTEX、Audioengine、Eidifireといったところ。今回は設置スペース関係と音の傾向が想像できるFOSTEXのセットで2万円程度のPM0.3Hを選択。カラーは全体が黒だと重いので、パンダみたいな白黒になるホワイトにした。

入力はRCAとステレオミニプラグの2系統で、スイッチをかねたボリュームが付いている。

設置して最初は、かなりボンボンした低音ばかりで心配になったが、大ききめの音で数時間鳴らすと十分なレンジ感で、FOSTEXらしい音になってきた。

左スピーカーへのケーブルは鬼門

しかし、なんとしても左右のバランスが悪い。アンプ内蔵側の右に比べて左の音レベルが低くて音質も今ひとつ。調べてみるとAmazonのレビューやブログで左右のスピーカーをつなぐケーブルの品質が問題でこれを交換して解消している。なので、ここはビンテージのウエスタンのケーブルでモノラルのケーブルを自作してみる。プラグはサウンドハウスで高品質のものを調達。

自作ケーブルに変えて左右の違いは解消、分解能もそこそこよく品位のある音になり、音楽を聴いても大きな不満なくそれなりに聴けるようになってきた。久しぶりのニアフィールドリスニング環境。どうやらボリュームに関しては、スピーカー側は最大にしておいて、iPadProやMacbook側で音量を調整するのがベストのようだ。その方が使いやすい。ポッドキャストやビデオの人の声がリアルで鮮明なのは、FOSTEXらしいスピーカーの素性の良さを感じる。

*****

デスクトップでスピーカーから60センチ程度の距離で聴く音は、擬似的なオープンエアヘッドフォンのようでもあり、大きなスピーカーで聴くのとはまた違った楽しみがあることを再発見。元々はポッドキャストや独学用のビデオの音声なんかを聞くことが目的だったが、仕事をしながらスリーミング音源を聴くなら充分な環境とすることができたのは嬉しい誤算だった。


© 2019 Shigeo Honda, All rights reserved. - 本ブログの無断転載はご遠慮ください。記事に掲載の名称や製品名などの固有名詞は各企業、各組織の商標または登録商標です。