Sound & Silence

本多重夫の音楽、オーディオ、アートなどについてのプライベートブログ

A Postcard From Warsaw : Ode to D.B. / Ear has No Lid - 寒い日に落ち葉を踏み締めながら

UnsplashAlexey Souchoが撮影した写真

iPadProで自分の音楽を作る2作目。落ち葉が多い近くの公園を歩いた時に、その単調な落ち葉を踏みしめて歩く音がインスピレーションになって、歩きながら足音をiPhoneで録音し、それをイコライジングしたループを作り、それを聴きながらあれこれ一人でセッションしてできたのがこの作品。

中心で出てくるのはDavid Bowieの『Low』に収められていた「Warsaw」のメロディの一部。別にこの曲のカバーをしようとしたのではなく、冷たく荒涼とした足音のイメージとメロトロンのトーンが合っている気がした。だから、そのメロディは本当に一部でしかない。

メロトロンという楽器が好きで、その鍵盤一つ一つにテープ再生装置がつながっているという非常に原始的な構造やそれゆえに持続音が30秒程度しか出ないという制限、レンジの狭い音質の悪さがむしろ聴き手の想像力を膨らませるといったところがある。

このメロトロンが使われて有名なのは、例えばThe Beatlesの「Strawberry Fields Forever」のフルートであったり、 King Crimsonの1枚目の「Epitaph」や、Genesisの「Watcher of The Skies」の荘厳な導入部だったりする。そのテープ再生の不安定な音が曲に強い陰影を与え、その楽曲を強く印象に残るものにしている。ただ、個人的には、そのあまりにべったりメロトロンのストリングやコーラスが延々と鳴り響くのはちょっと過剰で苦手。

今では、いろんなメロトロンの音源やアプリが出ている。それぞれ特徴があるが、僕はこの「Mellowsound」というiPadOS向けのアプリが気に入っている。ストリングスやコーラス、フルートといった音色数も豊富だし、音色が脚色が少なく素直なところがいい。

この曲では、最初の部分のハープのコード、サックス、そして中心のストリングスのメロディでこのMellowsoundを使用している。


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