Sound & Silence

本多重夫の音楽、オーディオ、アートなどについてのプライベートブログ

Bad Amputee / Convenience Kills - 無垢な精神の音楽

bandcamp.comやYouTubeは新しい音楽を発見する場所として自分の中で定着しつつある。今回紹介するのは、英国ニューキャッスルを拠点するとトリオのBad Amputee(「酷い四肢切断」の意)。バンド名からはノイズかハードコアバンドを思わせるが、これが、まるでLOWのようなスローコアを演奏するバンド。

いや、もっと素朴でハードなところもあり、 CloserのJoy Divisionを思い起こさせる雰囲気もある。メンバーは、Phil - guitar, vocals、Claire - bass, vocals、Rob - drumsの3人。これまでもいくつもバンドを経験したのだろう、もう若くはないが、自分たちの音楽を知りつくしている揺らぎない自信を感じさせる。

最初に偶然見たのはこの2022年のライブ映像だった。場所は地元ニューキャスルの実験的な音楽フェスの小さな部屋。最初の音が出た瞬間から、その実直でひたむきな演奏に釘付けになった。飾りの一切ない、素人っぽい、丸裸にされたかのような嘘のない音楽。

youtu.be

コードを鳴らすだけでソロが全くないギター、一音が絞り出されるようなベースと叫びのようなコーラス。手数が極端に少ないドラム。それらが一体となって聴くものに訴えてくる。

別に商業的な音楽を否定するわけではないが、彼らのような商業主義とは無縁な音楽だけが備えている「無垢な精神」はそれだけで、人の心に強く共振するものがあるように感じる。


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