Thinking is The Form

本多重夫の音楽、オーディオ、アートなどについてのプライベートブログ

Rolling Stones / Their Satanic Majesties Request - ローリング・ストーンズの「幼年期の終わり」

最近買ったレコード5枚目の話。このローリング・ストーンズが1967年12月にリリースした『Their Satanic Majesties Request』は、彼らのベストのアルバムではないが、Summer Of Loveの1967年の最後に相応しいアルバムといえるだろう。

同年6月にはビートルズの『Sgt. Peppers Lonely Hearts Club Band』がリリースされており、本人達との思惑とは別に、その対抗馬となるようなアルバムとして認識されてしまい、当時の評価はそれほど高くなく、またメンバーにとっても評価が別れたものになってしまった。

僕にとってこのアルバムは、「ローリング・ストーンズらしくないアルバム」として、ずっと記憶に残っていた。メロトロンなどのキーボードやテルミンといった電子楽器、ストリングなども多数導入され、普通のロックンロールではない、一風変わった趣のサウンドで、当時のサイケデリックムーブメントの影響を強く感じさせてくれる。

こうして聴き直してみると、出だしは風変わりではあるが、ミックが歌う声が聴こえれば確かにストーンズのアルバム。「Citadel」はダイナミックでサイケデリックな名曲だし、B面の「She’s a Rainbow」や「2000 Light Years from Home」は、ストーンズのベスト盤には是非含めたい曲。全体を通して聴けば、サイケデリックロックのアルバムとして一級品だし、あらゆる楽器を演奏するブライアン・ジョーンズの才能が良い形で結実してて、彼がストーンズで音楽的に輝いていた最期の時代になる。

今回入手したのは米国オリジナル盤の後期のもの。表ジャケットの3D処理された写真もちょっと懐かしい。実は同じ3Dジャケットのものを90年代始めに米国の中古レコード店でも見たが、かなりのプレミアが付いていて、その時は諦めたが、今回はすごく手頃な価格だったので購入。盤質もまずまずで、普通に聴くには全く問題なし。アルバムカバーも50年を経ているとは思えないほどきれいだった。

ステレオミックスのアルバムなのでのステレオで聴くのもいいが、 Luxmanのフォノイコライザーで「モノラル」にして聴くのもいい。音がギュッとかたまってくる。

ストーンズのサイケデリアはこのアルバムで終わり、次は1年後の1968年12月に『Beggars Banquet』がリリースされ、そのアルバムは『Sympathy for The Devil - 悪魔を憐れむ歌』で始まる。そしてその後はブライアン・ジョーンズを失い、オルタモントの事件まで、それこそ激しく流転していく。

この『Their Satanic Majesties Request』はストーンズの「幼年期の終わり」を告げたアルバムだったのかもしれない。