Sound & Silence

本多重夫の音楽、オーディオ、アートなどについてのプライベートブログ

CDも良い音で聴きたい!(2)- CDメディアへの対策

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前回のCDプレーヤーの音質改善に続いて、CDメディアそのものへの対策を試してみる。CDも1982年の登場から38年が過ぎており、その間に収録時間は65分から80分までに伸び、材質の研究も進んでいる。

僕が最初にCDプレーヤーを購入したのは、新譜がCDでしか発売されなくなった1986年で、採算度外視の設計で当時人気だったMarantz CD-34を手に入れた。小型で置き場所も選ばずいい製品だった。今でもメンテナンスされた製品がオークションでいい値段で取引されていてるようだ。

CD盤のエッジを緑色に塗る

CDの音質改善対策して昔からあるのが、CD盤のエッジ部分を一周、緑色の水性マーカーで塗る方法。これが有効とされているのは以下の理由による。 CDプレーヤーは回転する盤面に赤色レーザーを照射して、その反射をレンズで読み取ってデジタル信号を生成する。そのときに、CD盤の厚みの中でレーザーが乱反射して、ノイズとなりピックアップの読み取り精度が劣化することがある。それ防止するために、エッジを赤色レーザーの補色となる緑に塗ることで光を吸収し乱反射をなくして精度を高める、というもの。10年くらい前までは、専用の「CDペン」が輸入アクセサリとして存在していた。

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僕も20年くらい前から、この「エッジを緑に塗る」をやっている。注意点としては盤を腐食しないように油性でなく水性のペンを使うこと。僕はこのゼブラのペンを愛用しているが、終売になるときにまとめて購入してまだ数本残っている。今は、三菱鉛筆の水性ポスカの緑色を使用している人が多いようだ。

それでエッジを緑に塗ると何かが変わるかいうと....。音の滲みが取れて細部が明瞭になる。シンバルやハイハットのアタック後の余韻が潰れずにキレイに聴こえる。俗に言う、デジタル臭い感じが軽減される。それに、隠れた音がなくなるというか、それまでマスクされていて聴こえていなかった音が聴こえてくる。エッジを塗る一手間をかける価値は十分にある。エッジも外側だけを塗った時と内側のエッジの両方を塗った時で違う。

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注意点としては、エッジを塗るときに誤って盤面に塗らないとこと。もし盤面についてしまったら、水で絞ったテッシュなど柔らかいもので拭き取る。エッジを塗ってしまったCDは中古ショップなどでの買取はジャンク扱いになり値段がつかないので、将来聴かなくなったCDを中古で処分しようなどと考えている人はエッジを塗らないほうがいい。自分でずっと持っていると決心したものだけにするように。

また再生を繰り返しているうちに、緑の塗料が少しずつ剥げてきて盤面につくことがあるので、CDプレーヤにセットする前に盤面を柔らかい静電除去ブラシでぬぐったりすると除電も同時にできていいのでオススメ。

ただ、この緑色に塗って効果があるのは2010年前後のCDまで。最近の高品質CDは盤質や素材も改善しているので塗ってもそれほど変化がない。またハイエンドのCDプレーヤーはCDドライブで対策がされているものがあるので、その場合は塗る必要はなさそうだ。

CD盤を洗う

これも以前からある方法で、CDを洗ってしまうというもの。人によっては、ジャブジャブと水道の蛇口の流水で洗ったり、中性洗剤も付けたりといろいろ。狙いは、長期間保管されている間にCD表面に蓄積されたホコリや汚れ、油面などによるクスミを除去して、反射率を上げて読み取り精度を上げようというもの。

僕の場合は、バキュームレコードクリーニング用の液剤(電解蒸留水)を使っている。市販のレコードクリニーニング液で、CDも兼用可というのもあるので、そうしたものを使ってもいいだろう。

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洗浄方法は、吸水性の良い2枚のレコード用クロスを用意して、1枚にクリーニング液を染み込ませて盤面を濡らし、もう一枚で拭き取るというやり方。一度に5、6枚のCDをまとめて処理している。中古CDを購入した時は、まず洗浄して乾燥させ、それからエッジを緑色に塗っている。

この洗浄の効果は、エッジを緑色に塗った効果を高めるというか、硬さが取れて、アナログ的なより自然な方向にまとまっていく。

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どうしてこんなことを続けているのか?

ストリーミングの時代にどうしてこんな手間がかかることをするのか? オーディオの世界ではこうした「アマチュア療法」で音が変わることが面白いというのもあるが、ディスクという入れ物に収められた音楽をできるだけ、そのままの状態で聴いてみたいというのがある。

CDやレコードの音はタイトル毎で異なっており、特にエレクトリック楽器が多用されるロックでは、ミュージシャンやプロデューサーによって意図されるサウンドが全く異なる。その違いをできるだけ正確に再現して、その本質に近づき、自分の側に引き寄せたいという思いが、あーでもない、こーでもない、と試行錯誤する原動力になっている。それは金銭的に解決できるようなことではなく、例え200万円のハイエンドCDプレーヤーを購入したとしても、やはり、あーでもない、こーでもない、は続いていくに違いない。

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