Sound & Silence

本多重夫の音楽、オーディオ、アートなどについてのプライベートブログ

CDも良い音で聴きたい!(1)- CDプレーヤーのセッティングを見直す

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ハイレゾストリーミングの時代ではあるが、レコードだけでなくオールドメディアとなったCDもそれなりの枚数を所有しているし、別記事でも書いたように中古CDが手頃な価格になっていることもあり、CDできるだけ心地良く聴きたいので、いくつかの方法を試してみている。

「CDを良い音で聴く」といってもアナログを聴いているようなサウンドを目指しているのでなく、現状のシステムのままでパリッとしたCDらしいサウンドで音楽に投入できるようになればよいと思う。

今のCDプレーヤーのトレンド

今回新しくCDプレーヤーを購入することはしないが、最近の製品のトレンドとしては大型化、高額化、それにSACD/CD両用だけでなくCD再生のみの専用機が復権がある。僕もその一人だが既存のCDを多く所有する人も多いのだろう。

ハードウェアのアプローチしては、CDドライブ部分を重量のある素材で頑丈にしてレーザーピックアップの読み取り精度の向上を図ったり、ケース全体の構造の強化、デジタル回路部分の遮蔽など、防振対策とノイズ対策に大きな重点が置かれている。結局、物量を投入するので価格が大きく上がってくるわけだ。

インシュレータを用意する

現在の使用しているのは CECのベルトドライブ型のCDトランスポート「TL5」と別稿でも触れた古いナカミチのCDプレーヤ 「CD-4」。CEC「TL5」はターンテーブルのようにベルトドライブでCDを回転する機構に興味があって購入したもの。太いアナログ的な音がするかというとそうでなく、むしろ余分な膨らみのないスリムでクリアなサウンド傾向。「CD-4」は解像度はそこそこで、やや低音が膨らむが、ロックやジャズにはそれがプラスになる。この辺りは以前書いた通り。

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今回はインシュレータを用意した。インシュレータといっても金属のものから木製のものまで価格や素材は色々だが、解像度もある程度確保しつつ音の固さを解消したいので「アフリカ黒檀」素材のものを選択した。黒檀といっても木管楽器に使われるような音響的な素材が使われている。

脚部が元からしっかり設計されていれば既存の脚部の下にインシュレータを入れて、ゴム足程度の場合は筐体の下に直接入れて持ち上げてしまうことにする。

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「TL5」の脚部の下に薄い黒檀のインシュレータを入れる

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「CD-4」の脚部は簡易なプラスチックだったので三角錐状の黒檀インシュレータで持ち上げる

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「DAC200」もゴム足だったので黒檀ブロックのインシュレータで筐体を支える

インシュレータを加えたことで劇的に音が変わるということはないが、やはり使用する素材でチューニングされており、音の輪郭の滲みのようなものが減ってより自然な方向になる。山本音響工芸のものを使用してみたが、他にもアサダ桜やバイオリンで使われるスプルースという素材もあって、それぞれ音調が異なるようで、機会があれば試してみたい。

CDレンズクリーナーでピックアップを掃除する

年数を経てくるとCDプレーヤー内部の汚れも気になる。CD-4は20年以上前の製品なのでCDレンズクリーナーでピックアップを掃除してみよう。レンズクリーナーで評価の高いサンワサプライの湿式のクリーナーでクリーニングをやってみた。

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盤面2箇所にブラシがあって、一方にクリーニング液をつけてドライブにセットする。CDに収録のナレーションに従ってトラック番号を変える操作を行う。クリーニング後は楽曲のアンサンブルの解像度が改善する。そこまで大きな変化ではないがレーザーが均一にCDに照射されて読み込みが正確になるのだろう。

CDプレーヤーの電源を切らない

オーディオの電源を切るか切らないかはCD以前の昔から議論があるところ。知人のジャズファンは、音質を維持するためにLuxmanやMcIntoshの真空管パワー・アンプを含め一切電源を切らないばかりか、不在時には音量は下げるもののFM放送をながっしぱなしにしていた。

そこまでではないが、僕の場合ずっと自宅で仕事をしているので朝電源を入れたら寝るまでは電源ONのまま。それでCDプレーヤーの電源の扱いについて調べると、海外のオーディオファイルには電源を切らずに24時間通電したままの方が音が良いと主張する人達がいる。言われてみれば海外製品には本体の正面には電源スイッチはなく、本体背面に主電源スイッチがあるだけのモデルが多いし、使っているDAC200も背面の主電源スイッチに加えてフロントパネルに電源スイッチはあるが、これを押しても表示パネルが消えるだけのスタンバイモードに移行するだけだ。

電源を入れたままが良いという根拠は、回路が電気的に安定することに加え、CDプレーヤーやDAコンバータのクロックが安定することが貢献するのだろうか。省エネの時代に逆行するが試しに2週間以上、電源を切らないでいる。これは確かに効果があるようで、CD特有の音の硬さがずいぶん改善される。日数を経るほどに音楽のダイナミズムもスムースに表現され、音楽が生き生きと流れてくる。毎日電源をOFFにしてた同じCDプレーヤーとは思えないほどだ。

順番に並べてみると次のようになる。

1)CDプレーヤー、DACを常時ONにして電源を切らない
2)各機器にインシュレーターを設置する
3)CDレンズクリーナーでピックアップをクリーニングする

さて、次はCDのメディアそのものへの対策を進めてみよう。

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